1.妖精が生まれた
はじめに
この小説は、東方Projectの二次創作作品です。
作者の処女作でもあります。
駄文になるでしょうが、見ていただけると幸いです。
「彼」はどこにでもいる、普通の会社員だった。
変わらない毎日の中、突然「彼」に転機が訪れる。
--目が覚める。意識がはっきりしない中、ゆっくりと目を開ける。
いつもなら木目の天井が見えたのだが、今日は違った。そこにあったのは、木目ではなく、どこまでも続く「黒」だった。
「なんだこれは!?」
思わずあげてしまった声は、いつもの声よりかなり高く、幼い声だった。
「ん?声が違う?」
何度聞いても、やはり幼い声は自分から発せられていた。
理解できない。昨日まではそこそこ渋い男声だったはずだ。なのに何故?
なぜこうなったか手がかりを探すため、あたりを見回す。
---上下、左右、前後。ほぼ黒だけだ。小さい光がところどころに点在している。
動かした首と腰は、かなり動かし辛い。
-少し考えてみよう。まず、高い声と動かしにくい体。これは、信じたくないが1つしか考えられない。
「…自分が幼女になった?」
相変わらず高い声で、そう呟く。
証拠に、手足は小さく、しわ一つない、白く、きれいな肌。
他に何かないか調べると、自分が身に着けているのはなぜか、スーツではなく、草の模様が書かれた白いワンピースを着ていた。靴は履いていなく、裸足だった。
背中から生えていた羽と薄い青緑色の髪を見ると、自分が人間ですらないことが分かった。
「俺は何なんだ…」
ふと、違和感を感じた。それもそのはず、自分には少しだが胸があった。Aカップくらい。
「やはり幼女なのは間違いない、か。俺は妖精にでもなったのか?」
昔見た絵本に、羽があり、髪の色が様々な妖精があった。
もしそれならば、この容姿にも納得がいく。というか、それ以外思いつかなかった。
「妖精、か…これが楽しい夢なら十分妖精ライフを満喫しようじゃないか。」
「いや、夢ではない。」
いきなり、背後から男の声がした。
振り向くとそこには、神々しい男性が立っていた。(立つ床はないのだが。)
「貴方は誰?何の用ですか?」
「儂か?儂はゼウス。又の名を全知全能神。」
「か、神様?しかも最高神、神って本当にいたのか…」
「何を言っておる?この世界には神しかおらんじゃろうに」
「俺は神じゃないですよ」
「分かっておる。おぬしは妖精という種族じゃ。最も、おぬしがこの世界の最初の妖精じゃがな。そして、これは夢ではなく、紛れもない現実じゃ。」
…俺は本当に妖精だったのか。そして、夢でもないらしい。 本当なのだろうか。
「おぬし、儂を疑ったな?」
「な、なぜ考えていることが分かったんですか?」
「言ったじゃろう?儂は全知全能。全知なら、おぬしの考えていることも、おぬしが次にすることも、すべて分かる。」
これはすごい。全知全能は嘘ではないらしい。と、いうことは俺は世界で最初の妖精か…訳が分からないことばかりだ。
「いいや、最初の妖精ではない。最初の生物じゃ。他の皆は儂が創ったのじゃが、おぬしだけは勝手に生まれた。まぁ、こうなることは最初から知っておったがな。」
ホホホ、とゼウスは笑う。考えていることが常時読まれているとは、恐るべし全知全能。
しかし、最初の生物とは俺も大物になったものだ。
最初の生物、ということはこの真っ暗な空間は宇宙なのか。ゼウスがこの世界のことを宇宙と呼んでいたが、やはりここは宇宙らしい。
「それはそうと、おぬし、儂の部下にならんか?儂は人手不足、おぬしも一人では何もできまい。」
なるべく自由に妖精ライフを楽しみたかったのだが、最高神の部下というのも悪くなさそうだ。
俺は迷うことなく了承した。
「話が早い、では早速、おぬしに任せる星を伝えよう。アテナ。」
「お呼びでしょうか」
ゼウスがアテナ、と呼ぶと、ゼウスの横に女性が現れる。
「この者に例の星を任せたい。案内してきてくれ。」
「かしこまりました。」
アテナがそう言い終えると、ゼウスはいきなり消えた。
「さぁ、行きましょうか。」
俺の新しい人生(妖生?)が始まる。
いかがでしたか?
1話あたりの文字数を少なくして/多くして
など、要望感想批判、お待ちしております。
誤字脱字などがありましたら教えていただけると幸いです。(読んでくれる人いるのかなぁ)
尚、神様転生のタグは後々関係してきますので、外しません。
それでは。