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仕掛け2

 機械の花が咲き誇る。

 それはまるで君のようで。

 脆く崩れやすくて儚く消えてゆく――――


「っ!?」

 突然の目覚めで息を荒らす。窓の外を見るとすっかり朝日が部屋を照らし包み込んでいた。

「……」

 手で顔に付着している汗を拭き取る。結構な量が額と髪を濡らし、枕を湿らせていた。

 悪夢を見たわけでもない。ただいつも見ている夢だ。

 でもこの夢を見た時は決まって大量の汗が吹き出す。理由も分からないしきっかけも分からない。

 ただそんなことが三年以上も起こっているものだから慣れてしまっている。

 何もなかったかのように時計を見ると七時二十分。学校には間に合う時間だった。

 汗まみれになった下着・パジャマをもろもろ着替え、鞄には今日の授業分の教材を詰め込んだ。

 そして重くなった鞄をリビングに置き、直続きのキッチンに入った。

 タッパーに残っている冷めた白米を茶碗に入れ、レンジで温めている間にインスタント味噌汁を作り冷蔵庫から鮭の塩焼きを取り出した。それから数秒にレンジから音が鳴り白米を取り出す。至ってシンプルな朝食だ。

 朝食が終わると洗面所で鏡を見た。

 目の前には黒く滲んだくまが出来ており、実年齢よりも自分が何歳か年をとってしまったかのような感覚を覚えた。

「はは……ダメだな私は」

 自嘲してみた。何がどうなのかは分からないけど自嘲してみた。

 最近特に同じような朝を繰り返しているようになっている。このくまも老け顔も。

 でも考えれば解決するようなものでもないし、第一原因がまず分からない。医者にはなんとなく行きたくなかった。

 顔を冷水で洗うといつも通りの『自分』に戻れた気がした。

 ただそんな気がしては学校という自分に課せられた仕事の意味の無さを噛み締める。


今回は分かりやすい伏線張ったつもりです。ここら辺だなあなんて思いながら読んでくださると嬉しいです。

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