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川遊び! その4

 響さんのまぶたがゆっくりと下がっていき、急に上がる。そしてまた下がっていく。


「響さん、起きてますか? しっかりしてくださいよ?」

「サキちゃん、もう寝かせてよ。眠くって仕方ないのよ」

「いやいやいや、女子がこんなけ揃ってて、そのまま寝るとかないでしょ?」


 ここは河原に設置したテントである。今回の川遊びのために持ってきていた二つのうちの一つで、通称女子テント。アメリカ製で八人用のかなり大きな物なのだ。


「睡眠はしっかり取らないとお肌に悪いのよ。この年になると命取りなの」

「んなの大丈夫ですってば。そういうババくさい考え方が老化を促進してるんですよ」

「サキちゃんもあと五年もすれば分かるようになってくるから」


 こうして女子会は、お肌の話題からスタートしてしまった。してしまったじゃないですか、響さん。


「だいたいなんで大人って、そんな肌とか気にするんだ? 放っときゃいいじゃん」

「せやせや」

「サキちゃん、今とんでもない言葉が聞こえた!」


 響さんの両目がクワッと見開かれた。覚醒しちゃいました。


「あれが恐れを知らない中学女子ですよ。己の若さの価値を知らないねんねどもなんですよ」

「いや、サキちゃんも似たようなもんだけどね」

「私は小学生の頃からスキンケア怠ってませんでしたよ? ニキビ一つなかったですから」

「そういえば常に色白だったわよね」

「日焼け止めにはうるさいですしね。そこで、ですよ」

「そう、そこで、なのよ」


 響さんと咲乃さんの両目が厳しく射ぬくのは恵……のカバン?


「メグちゃん、昼間使ってた日焼け止め、見せてもらっていいかなー」


 なぜかドスの利いた響さんの声。何? 何が始まるの?

 気の弱い恵がビクビクしながらカバンから日焼け止めクリームを取り出した。

 それをカツアゲされたみたいに、ていうか、これってカツアゲなんじゃないの? とにかく響さんに差し出した。


「サキちゃんこれ!」

「やっぱりだ! これだけで四千円くらいしますよ!」

「だよね! あえて日本製なのね!」

「ですよ! メグちゃん、恐ろしい子!」


 大人二人、盛り上がりすぎです。

 恵はすっかり怯えてしまって、生まれたての子鹿になっちゃってる。


「メグちゃん、いっつもこんなの使ってるの?」

「は、母がくれるんです」

「なんて素晴らしいお母様!」


 誰か響さんを止めて……


「そういや、メグってずっと肌白いよな」

「テニス部なのにね」

「普通、うちくらい焼けるで」

「ナッツンとミチは気にしなさすぎなんだよ」


 だから、夏生と実知に日焼け止めを貸したのだ。

 私? 私はちゃんと持ってきてたのだ。安いのだけどね。


「ナッツン、ミチちゃん、そこに正座して」

「正座?」

「正座」


 そして響さんのありがたいスキンケア講座を拝聴するのだった。


「へー、肌ってそうなるんや?」

「そうなのよ」

「悲惨だな」

「ぐっ、そうなのよ」

「まぁ、うちは気にせぇへんけどな」

「私も」

「ちっ、十年後、悶え苦しむがいい!」


 響さんが呪詛の言葉を叩き付けた。大人げないですよ?


「十年後はともかく、ケアはちゃんとしとかないと、男子にモテないよ」


 咲乃さん、年上としての助言。


「う、そっか、ニキビとかヤバいんかな?」

「私はモテとかどうでもいいけどな」

「ミチはいっつもそれよね」

「みこみたいに常にデレデレとか熱っ苦しいだろ」

「いや、私と由起彦はそんなんじゃないし」

「ミチちゃん、ホントに好きな子とかいないの?」


 落ち着きを取り戻した響さんが、ごくナチュラルにビールの栓を開けながら聞く。まだ飲むんですか。


「いないぞ。部活やって女子同士で騒いでたらそれでいいじゃん」

「もったいないわね。ミチちゃんみたいな娘、案外モテるのに」

「そうなんですか?」


 実知がモテるとか、あまりに意外過ぎる発言である。


「さっぱりしてる娘はモテやすいんだよ。男子相手でも普通に話すでしょ?」

「まぁ、そうだけど。でも男子は馬鹿ばっかだしなぁ」

「前に一度モテたことあるよね」


 恵が日焼け止めを戻しながら言う。

 ああ、あったなそんなこと。後輩で実知が好きとかいう変人が現われたのだ。私が骨を折ってお話しするセッティングをしてやったものだ。


「ああ、みこが余計なことしたやつな。あれだって碌でもない終わり方したじゃん。やっぱ男子とかどうでもいいわ」

「男子はどうでもよくて、女子の方に興味津々だったりして?」


 咲乃さん、何言い出すの?


「まぁそうかも。メグとか見ててかわいいし好きだぞ」


 実知、何言い出すの?

 そしてなぜ顔を赤らめる恵?

 妙な空気で見つめ合う二人。

 マジですか? いや、マジで勘弁してください。


「変なこと言わないでよね、ミチ」

「かわいい娘っていいじゃん。最初メグに話しかけたのもそれだし」


 マジですか! マジで勘弁してください。

 確かに一年の時、一人ぽつんとしていた恵に声をかけたのは実知だった。

 小学時代、私と実知は仲が悪かったけど、卒業式で和解して中学では友達になる約束をしていた。

 その私を放置して、真っ先に恵に声をかけたのだ。だから最初はちょっと恵のことが好きではなかった。まぁ、少し付き合ったら、素直で優しい恵のことは好きになったのだけど。

 が、しかし! 実知の“好き”は私の好きとは違っていたのだ!


「ええな、そんなマンガみたいなん間近におったて思わんかったわ」

「まぁ、思春期のうちはありかもしれないわね」

「女子同士でも愛し合えるしね」


 無責任な連中が好き勝手言っている。


「冗談でしょ、ミチ? メグが好きとか」

「え? みこは好きじゃないのか?」

「いや、好きだけど、それとは違う好きでしょ?」

「え?」

「え?」

「いや、女子同士で好きとか、友達の好き以外に何あるんだ?」

「なんだ……」


 ため息をついたのは恵だった。

 いやいやいや。恵、あんたは何でもありなのか? こっちの方がよっぽど危なっかしい。


「まぁ、ミチちゃんはまだその辺未成長なのね」

「身体は今回の中学女子の中ではぶっちぎりに成長してるのにねぇ」


 うるさい、咲乃さん。


「えー、うちかて結構成長してんで?」

「ナッツンはあくまで次点だよ。今回の水野君へのアタックは見てて惚れ惚れしたけど」


 咲乃さん、どこまでも無責任ですなぁ。


「全く見込みないのに、よくあそこまで頑張れるね」


 恵は誰に対しても天然で酷いことを言う。


「見込みないことあらへんで。男子て、好き好き言われてたら、そのうち気になってくるもんなんやて」

「誰が言ってたの?」


 そんな余計なこと。


「オカン」


 何吹き込んでるんですか、母君!


「だいたい何で水野なんだ? 男子としての魅力ゼロだろ?」


 実知の歯に衣着せぬ発言である。

 まぁ、親友であるはずの男子連中も同じこと言ってたけども。あいつらの友情にはいささか問題があるな。


「何言うてんねん。めっちゃ男らしいやん。みこちゃん好きなった男子諦めさすのに、自分のこと好きなだけ殴らせたんやで?」

「へぇ、そんなことあったんだ。あ、それって五月の初め?」

「そうや」

「ああ、みこちゃんすごい落ち込んでた日あったんだよ。聞いても何も言わないし」

「あれがきっかけなのか?」

「今思えばな。じわじわーっと好きになってったかんじ?」

「青春ねぇ」

「響さんは響さんなりに春を謳歌してるじゃないですか」


 咲乃さんの矛先が響さんに向かった。


「今日の釣りはどうでした?」


 その辺、応援している私としても気になるのだ。


「え? あー、そんなに釣れなかったわねぇ」

「釣れたとかどうでもいいし。響さんこそなんで西田さんなんだ? 今日はそこそこ活躍してたけど」


 そこそこじゃないけどね。

 西田さんがいないと、テントも立てられなかったはずなのだ。

 おたくには釣り好きが多くて、西田さんも一人でよく出かけたりしてるのだそうだ。おたく・イコール・インドアでは必ずしもないらしい。意外だね。


「えー、いやー、まーねー」

「何中学生相手に乙女になってるんですか。痛々しいですよ?」

「サキちゃん言うわね。あー、そうねぇ。マンガコーナーで店員やってると子供がいっぱいやってくるでしょ?」

「まぁ、そうだよな。私みたいなのもいるけど」

「西田君も来るのよ。そしたら子供たち、『西田、西田』ってすごいなついてるのよ。騒いでたら注意してくれるし、子供も言うこと聞くし。そういうの見てたら、なんだかねぇ」

「あ、響さん子供欲しいんですか?」


 咲乃さんが身を乗り出す。


「そりゃ欲しいわよ」

「急がないと高齢出産になりますよ?」

「サキちゃーん、言い過ぎですよー。まだまだ大丈夫だから」


 響さんが今にも殺害しそうな目で咲乃さんを射る。


「子供かー、全然想像出来ないなぁ」

「でもみこちゃんは『野乃屋』さんの跡継ぎ作らないと」

「めちゃくちゃ先の話ですから、響さん」

「子供かー、私は欲しいなー」

「メグちゃんはそんなかんじだね」

「惚れっぽいから浮気とかしまくりそうだけどな」


 意地悪げな実知の笑顔。その言いようはあんまりである。言われてみれば、その可能性は高いけども。


「好きで結婚する旦那さんには一途に尽くすよ」

「でやろなー、人間、そんな変わったりせぇへんて」

「そうでもないよ。ちょっとしたきっかけで変わったりするもんだよ」

「サキちゃんの場合はそうよね。ていうか、変わりすぎだけど」

「前に、自分のことドライって言ってましたよね? それで高校の時に振られたって」


 二股された挙げ句に振られたのである。

 今思えば、咲乃さんとお付き合いしてると、とてつもなく苦労することになりそうだ。逃げたくもなるよね。


「遠い過去だよ。確かに元々はそういう人間だったけど、今回はちょっと寄りかかってみたんだよ。そしたらすごい気持ちいいんだ」

「サキちゃん、中学生の前で露骨な下ネタはやめてよね?」

「違いますって。精神的なものですって。とにかくものすごい安心感に包まれたんだよ。だから今じゃ気持ちの赴くままに寄りかかってるんだよ」

「寄りかかるいうか、甘え倒してんねけどな。あれはないわ」

「いやいや、甘えてるのとは違うって」

「めちゃくちゃ甘えてただろ。みこでもあそこまで露骨じゃないし。見てて胸焼けしてきたって」

「私は憧れたけどなー」


 メグが目をきらきらさせている。夢見る乙女さん。


「き、君らも誰かとお付き合いするようになれば分かるって」

「当分先の話だよなー。みこ以外」

「私? 私もフリーだし」

「じゃあ水野、うちにちょうだいな」

「うっ、それは幼馴染みとして許せないわね」

「なんでそう、素直じゃないんだよ」

「それで何度も危機に陥ってるのに」

「まぁ、私がくっつけたげるし時間の問題だけどね」

「私もサポートするわよ」

「そんなんやったら、うち取るし」


 あーもーうるさいなぁ。


「でもな、みこちゃん」


 夏生が少しうつむいた後、顔を上げた。いつになく真面目な顔だ。


「水野のこと、横入りするみたいになって、悪いとは思てんねけどな。でもうち、我慢でけへんねん。我慢したないねん」

「うん、ナッツンはそういう奴だよね」


 いつもの誤魔化す気持ちが消えて、真正面から夏生と向かい合う。


「ほな、どんな汚い手ぇ使つこても、勝ったもんの勝ちやし」

「え? そこは正々堂々戦おうじゃないの?」

「そんなん、結果的に勝てれば卑怯でも何でもええんや」

「ま、まぁいいわ。せいぜい無駄なあがきをすることね」


 二人、握手を交わす。


「青春ねぇ」

「何泣いてんですか、響さん」

「最近、お酒飲むと涙もろくなっちゃって」


 この後もファッションなり魅惑的なスタイルの作り方なり話はいろいろと巡っていき、時計を見て絶叫した響さんの号令により、今度こそ寝ることとなった。




 次の日、朝早いうちに目が覚めた私は、みんなを起こさないように気を付けながら、テントの外へ一人出た。

 既に日は昇っていたが、まだ優しく周囲に明るみを与えるだけだった。

 肌を心地良く撫でる山の冷気に浸る。

 男子テントから誰かが出てきた。

 由起彦だ。そんな予感はあった。

 向こうは私に気付くと、さっと目を逸らせた。

 え? 何?

 そういうのやめろって、昨日言ったよね?


「どうしたの?」

「べ、別にー」

「こっち来なよ」

「や、やめとくわー」


 相変らず顔を見ようとしない。

 こっちが一歩前に出ると、向こうは一歩退きやがった。

 もういいや、知るか。

 ぼんやりと山に包まれているうちに、みんなが少しずつ起きてきた。


「おはよう、メグ」

「おはよう、みこ。ねぇ、何か男子おかしくない?」

「他の男子も?」

「あいさつしても、全員顔を見ようとしないんだよ」

「私にもだぞ」

「おはよう、ミチ。何なんだろうね」

「解説しよう」


 咲乃さんだ。


「男子が夜中に集まれば、やることはエロ話と相場が決まっているのだ」

「うわっ」


 露骨に顔をしかめたのは純情な恵さん。


「でも二階堂さんがいるだろ? あの人真面目だし、そんな話許さないんじゃないの?」

「体育会系ではエロ話ができないと、生き残っていけないんだよ。しかもかなり露骨らしいよ。絶対に内容教えてくれないし」


 そこへテントから二階堂さんが出てきた。

 その姿を見つけた途端、中学生男子、全員直立すると、


「おはようございます! 先輩!」


 などと叫び、深々と頭を下げる最敬礼をしたのだった。なんだありゃ。

 さらにしばらく様子を見ていると、出てきた西田さんに向かって、


「先輩! よろしくお願いします!」


 などと叫んで最敬礼。何をよろしくなんだ?


「西田君。健全な青少年の育成にご協力お願いしますよ?」


 と、迫力のある響さんの静かな声。


「いや、こればっかりは男の約束だから……」


 しどろもどろで、やはり響さんの顔は見れない西田さん。


「先輩! 一生ついていきます!」


 なぜか感涙して西田さんにしがみつく中学生男子。


「バーカ」


 響さんが微笑みながら酷い言いざまをする。

 私にはさっぱり意味が分からない。




 そうして微妙な空気のまま朝食を終え、午前中は川遊び。

 そのうちまた男女仲良く遊ぶようになる。

 大きな岩の上に、中学生七人が腰掛ける。川からの風が心地いい。


「今回はいろいろあったけど面白かったわ」


 岩から足をぷらぷらさせて私が言う。


「咲乃さんの運転は最悪やったけどな」

「男子と遊ぶのも意外に面白いね」


 人見知りの恵にしては珍しい発言。


「また遊びに行こうぜ」


 実知が男子に笑いかける。


「お、おう、そしてゆくゆくは……」

「やめろ、柳本、がっついたら全てが水泡に帰す」

「なぁ、お前ら今朝から絶対におかしいって」


 実知がじとーっと男子を見る。


「あ、咲乃さんからちゃんと言っとけって言われたんだけど、私ら全員、あんたら眼中にないから」


 私がきっちり伝えておく。


「え? いやー、そうとは限らないだろ」

「そんな変な下心抜きにして、普通に遊べばいいだろ?」


 それが実知の考え方だ。


「分かってるって、俺達だって下心だけじゃないんだぞ?」

「でも下心もあるんや?」

「いや、ないぞ?」


 露骨に目を泳がせる柳本。


「はぁ、せっかく普通に話せる男子ができたと思ったのに……」


 恵がうなだれて首を振る。


「ほら見ろよー、下心は捨てろよなー」

「水野は女子二人から迫られて、余裕たっぷりだからそんなことが言えるんだっ!」


 高瀬と柳本が由起彦を指さす。


「いや、私は迫ってなんてないし」

「まぁ、普通にお前らと遊ぶのは楽しいぜ?」


 そう言いながら、高瀬は隣にいる恵の足をちらちら見ているのだが。例の男の性だ。


「だよな、馬鹿相手に馬鹿やるのも楽しいわ」

「元町のその口の悪さはなんとかならないのか?」


 柳原が実知を見て言う。正確には実知の胸ね。


「口の悪くないミチはミチじゃないよ」

「巨乳派じゃない柳本君は柳本君じゃないのと同じよ」

「うん、それはよく分かるなー」

「水野、うるさい」

「あ、響さんが呼んでる。行こうか」


 私の声を合図に、全員ゆっくりと立ち上がる。


「じゃ、これからもよろしくということで」


 私はこの場にいる全員を見回す。

 これからもいろいろありそうだけど、こいつらとなら仲良くやっていけそうだ。

 そんな思いを深く抱いた。




 帰りに乗る車を決めるのに、中学生たちで血で血を洗うジャンケン大会が実施され、私は見事響さんの軽四に乗る権利を獲得した。天は我に味方したのだ。

 もう一人は由起彦だった。

 響さんが咲乃さん運転のワゴンに煽られて怯えながら運転しているのを尻目に、由起彦とお話をして過ごす。


「結局、男子テントでは何があったのよ」

「それは男だけの話だからなー」

「気に入らないわね。男子はエロばっかよ。何なの? 高瀬君の足フェチとか」

「好きなもんはしょうがないだろー。あれでも自重してるんだぞ。ホントはテニス部覗きに行きたいんだよー」

「うわぁ、それやったら変態だし。メグ的に最悪よ? 顔は柳本君に見られてて、足は高瀬君とか。二人とも好きでも何でもないのに」

「桜宮さんの場合は一人や二人じゃないけどなー」

「え? やっぱりそうなんだ?」

「昨日集計したら、桜宮さんを好きな奴、後輩も入れて十人いた」

「さすがねぇ。ミチは?」

「四人?」

「メグ基準だとよく分からない数字ね。その中にマシなのいない? ミチには甘みが必要なのよ」

「やめとけよー、野宮が何かしようとしたら、たいてい碌でもないことなるんだしよー」

「うっ、まぁそうか。ちなみに私はどうだった?」

「それは絶対に教えない」

「ケチ、知ったところでどうこうなる訳じゃないのに」

「それでも駄目だ」

「まぁ、いいけどさ。あ、西田さん、これで撮ってくださいよ」


 助手席にいる西田さんにデジカメを渡す。


「イェーイ。水野君も、イェーイ」

「イェーイ」


 パシャリ。


「わざわざ防水の買うとかなー。どんだけ楽しみにしてたんだよ」

「オモイデって奴がいっぱい撮れたわ」


 あんたと一緒の写真もいっぱいね。


これで「川遊び!」シリーズは終わりです。

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