表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/82

うるさいバイトの撃退法

「みこちゃんも筋肉を付ける気になったんだね。筋肉」

「いや、筋肉じゃないですよ。体力ですよ。体力を付けるんです」

「でも筋肉を付ければ、体力も付いてくるよ」

「いや、あくまで体力ですから」


 最近、私は同じ商店街の住人、咲乃さんとジョギングをするようになった。登校前に三十分程だ。

 もうすっかり冬なので、耳なんかが寒くて痛いが、身体はすぐに温まってなかなか気持ちがいい。

 何でこんな事を始めたかというと、咲乃さんにも言った通り、体力作りだ。

 今まで、私は家がやっている和菓子屋の手伝いで、それなりに体力があるつもりでいた。

 しかし実際はそうではなかった。

 他所のお店で働いた時、私は体力が無いせいで、たった五日で挫折してしまった。

 後からよく考えれば、家の手伝いでは力仕事は大人がやっていた。私には手伝わせてくれなかった。これでは仕事に必要な体力が身につかない。

 じゃあ、どうするか。手伝い以外で体力を付けるしかなかった。


「みこちゃんはまだまだ成長期なんだし、体力もこれから付いていくよ」

「うーん、成長なんて待ってられませんよ。この前は他所のお店にすごく迷惑をかけましたし。さっさと体力付けて、早く一人前になりたいんです」

「みこちゃんはせっかちだね」


 二人で駅前まで来たところで、少し休憩。ゆっくり歩いていく。

 あれ? こっちへ近付いてくる人がいるぞ?


「おはよう。やっぱりみこちゃんだ。駅から見えたんだよ」


 坂上が笑顔で近づいて来る。

 はぁ、朝から面倒な奴に会ってしまった。

 こいつは家のお店のバイトだ。

 こいつが面倒なのは、やたらと私に付きまとってくるのだ。好きだの何だと言ってくるが、はっきり言って迷惑なのだ。一回金的をかまして分からせたはずなのに、懲りずに寄ってくるのだ。はぁ。


「おはよう」


 仕方なしに挨拶する。


「今日は朝からラッキーだ。あれ?」


 坂上が私の隣を見た。隣にいるのは咲乃さんだ。

 おや? 坂上の顔が歪んでいるぞ? これは珍しい。いつもは見た目爽やかな笑顔を崩さないのに(そうやって女性をたらし込むのだ)。


「も、森田先輩?」

「おはよう、坂上君」


 咲乃さんはさっぱりした笑顔だ。


「二人、お知り合いなんですか?」

「ええ、同じ中学なの。一学年違いね」


 なるほど。そう言えば同じ学区になるのか。じゃあ、知り合いでも不思議はないか。


「私が二年の時に告白されたんだ。坂上君に」


 え? 今すごい事、暴露しなかった?

 坂上の笑顔がさらに歪んでいく。


「森田先輩、それを言いますか?」

「え? だって本当の事だし」

「はーん、そうなんだー」


 我ながら意地悪な笑みを浮かべてみる。

 ちなみに咲乃さんも意地悪さんだ。今のもわざと暴露したに違いなかった。


「いや、みこちゃん。昔の話だから」

「え? 今はみこちゃん狙いなの?」

「そうですよ。しつこいんですよ、こいつ」

「そうだよ。すごくしつこいんだよ。私は三回告白されたし。最後は教室でみんながいる前だよ。あれはないわ」

「うわー、それはないですね」


 坂上は口を半開きにして、ほとんど表情が消え去っていた。


「でも私とみこちゃんって、全然タイプが違わない? 特に顔」


 確かにそうだ。

 咲乃さんは可愛いではなく、きれいといったタイプだ。

 私? うーん自分ではよく分からないけど、商店街の人は大抵可愛いって言ってくれる。まぁ、あれは挨拶みたいなものか。

 きれいなんて言われた事ないよな。あ、一回だけあるか、由起彦に。でもあれもその場の勢いで口走ったような感じだったしなー。

 何にしろ、咲乃さんは細面で切れ長の目、鼻も高い。私は丸めの顔で丸めの目、鼻も高くない。全然違うのは確かだ。


「え? あんた、節操なし?」


 思った事をぶつけてみる。


「あー、いや、違うって。その時、心に響いてきた人を好きになるんだよ。見た目とか関係無しに」

「醜い言い訳ですなー。で、咲乃さんは何でこいつを振ったんですか?」

「彼、筋肉ないじゃない」


 分かりやすい理由だ。確かに華奢なタイプの坂上は、筋肉フェチの咲乃さんの好みから完全に外れている。それなのに三回も告白したのか。しつこいというか、根性があるというか。


「あ、坂上、電車行ったよ」

「本当だ。まぁ、まだ次でも間に合うし」


 坂上は完全に腑抜けになっている。


「何か良い断り方ないですかね。先輩として」


 実際に振った人がここにいるのだ。参考になる話を聞かせてもらおう。


「簡単だよ。勝負して勝てばいいの。私は腕相撲で勝利」


 そう言って、力こぶを作ってみせる。見た目か弱い感じの咲乃さんだが、さすが筋肉フェチ。筋力はあるようだ。


「でもそれで言う事聞くんですか? 平気で破りそうなんですけど」

「大丈夫。彼は法律家志望だから、契約書にサインさせれば言う事を聞かざるを得なくなるの。そこまで突き止めるのには苦労したよ」


 これは良い情報を仕入れた。

 うーん、でも私は運動に自信がないんだよなぁ。


「勝負だったら何でもいいし。要は契約書にサインさせればいいの。でもこっちにもリスクがあるよ。負けたらお付き合いしなくちゃいけないし」

「なかなかリスキーですね」

「まぁ、勝てばいいの。勝てる勝負にすれば、彼はお付き合いにつられてほいほいサインしちゃうから」

「じゃあ、和菓子作りにしようかな」

「あ、それいいかも」


 二人で盛り上がっている前で、坂上はすっかりうなだれている。


「電車来るし、もう行くよ。じゃあ、みこちゃん。夕方に」


 とぼとぼと坂上が駅に向かう。


「あれ? 私、悪いことしちゃったかな?」


 そう言ってにやにや笑う咲乃さんは、小悪魔どころか普通に悪魔だった。




 さて、ジョギングを終えた後、軽くシャワーを浴びて登校だ。

 うーん、坂上を軽くひねる勝負か。何にしようかな?

 さすがに和菓子作りは駄目だな。こっちは半人前とはいえプロだし。


「おう、おはよー」


 学校に近付いたところで間延びした由起彦の挨拶。この幼馴染みも坂上を毛嫌いしている。


「坂上を撃退する良い方法が分かったの。後で相談に乗ってよ」

「おう、いいぞー。そんなのよく見付かったな」

「咲乃さんが中学の時に坂上を振ってたの」


 ついでに奴の心の傷を広める事も忘れてはならない。

 お昼休み。私の友達も入れて坂上撃退作戦のミーティングを開いた。


「歌は? カラオケの点数で勝負するの」


 恵が案を出す。ちなみ恵と坂上は面識がない。


「でも向こうがどんだけ上手いか分からないぞ」


 確かに実知の言う通りだ。ちなみに実知はお店に来た時に、一度だけ坂上と会っている。「顔はいいけど軟弱だ」それが根っからの体育会系である実知の評だった。


「和菓子作りじゃ駄目なのかー」

「駄目よ。私は一応プロだし」


 由起彦案は考慮済みだ。


「そうだ、料理対決だ。和菓子以外の料理で勝負だ」

「でもミチ、和菓子以外のみこの料理は食べられたものじゃないよ?」


 恵は天然で酷い事を言う。今のは結構なダメージだ。


「だからだよ。坂上って奴がみこの料理を食べ切れるか勝負だよ。それで坂上の愛の程も試せてちょうどいいだろ?」


 随分酷い言われようだが、確かに私の料理はとんでもない。坂上が食べ切れるかどうかは十分勝負になりそうだ。坂上の愛っていうのが引っかかるけど。


「時間制限ありなら料理の量で何とでもなるよなー。時間制限無しだと時間かけて食べ切れるかもしれないし」


 そうか、それもそうだな。時間内に食べ切れない量を出すのは卑怯だ。意外に加減が難しい。


「じゃあ、競争にすればいいじゃない。水野君と坂上君、二人で競争するんだよ」

「メグ、それはいいな。どっちの愛が強いか試せるしな」

「え? ちょっと待ってくれよ」


 由起彦が慌てて止めようとするが、恵と実知は暴走すると止まらない。


「そうしなよ、みこ。大丈夫、水野君はまだ食べ慣れてるし」


 うーん、確かに恵のいう通りである。由起彦は何度か私の料理の犠牲になっている。勝てる勝負ではあるな。

 でも気にかかる事がある。これだけは主張しておかないと。


「愛とかそういうのは勘弁してよ。純粋な早食い競争にしてよ」

「まぁ、建前は何でもいいけどな。結果的に愛が証明されるけど」


 クソッ、あくまで愛か。

 でも他に案もないし、これでいくか。


「じゃあ、私の料理で純粋な早食い競争。そういう事で」


 由起彦の顔が青くなっているが無視である。


「あれ? 契約書ってどう書けばいいの?」


 そんなの書いた事ないよ。




『坂上俊輔は、野宮みこの料理を水野由起彦とどちらが早く食べ切れるか勝負します。

 勝負に負けたら、坂上俊輔は野宮みこと同じシフトでバイトをしません。また、仕事以外の事で野宮みこに話しかけません。


 以上の事をここに誓います。


 署名:』


 何とか契約書を書き上げ、夕方バイトに来た坂上に突き付けた。


「仕事早いね、みこちゃん」

「こういうのは、ちゃちゃっとしないとね」


 私の横には由起彦。未だ顔が青い。そんなに嫌?

 由起彦の顔色に、坂上が敏感に反応する。


「もしかして、みこちゃんって料理下手?」

「そんな訳ないでしょ? 私は和菓子屋の娘。料理が下手ならやっていけないわよ」


 私は目的の為には平気で嘘を付く女。

 顔色一つ変えずに嘘を付くのだ。


「うーん。どっちしろ、早食い競争なら条件は同じか……。あれ? この契約書おかしいよ」


 ちっ、気付いたか。

 坂上はペンを取ると、契約書に付け足した。


『坂上俊輔が勝負に勝ったら、野宮みこは坂上俊輔と一年間交際します』


「え? 一年間も?」


 思わず声が出た。まさか期限まで決めてくるとは。


「一年間しか、だよ。まぁ、この間にみこちゃんは僕にメロメロになるんだけどね」


 ぐぬぬぅ。

 いや、要は勝負に勝てばいいのだ。負けた時の条件なんて関係ない。


「由起彦、あんた絶対勝つわよね?」

「お、おう」

「え? いまいち頼りないぞ?」

「絶対に勝つ。みこを坂上なんかには絶対に渡さない!」

「よし、その意気だ!」


 こうして、契約書に私と坂上のサインが刻まれた。


「いやぁ、みこちゃんの手料理か。楽しみだな」


 笑っていられるのも今のうちだ。我ながら情けないけど。

 まぁいい、明日勝負だ。

 当日にしなかったのは、コンデションを整える時間を与える為だ。それぐらいの慈悲は私にもある。




 勝負の日。場所は私の部屋。

 にこにこと笑顔を崩さない坂上と、相変らず顔が青い由起彦。

 ギャラリーは恵と実知。そして咲乃さん?


「いやー、私の撒いた種だし」


 絶対嘘だ。彼女は物見高い見物客にすぎない。満開の笑顔がそれを物語っている。この人、意地悪さんどころかサドじゃないの?

 まぁ、いいか。

 

「さて、腕によりをかけて作らせて頂きました。肉じゃがです」

「よりにもよって肉じゃがかよー」


 由起彦、うるさい黙れ。

 確かに以前、由起彦は私の肉じゃがを食べたことがある。家に帰ってから、一晩腹痛で苦しんだという話だ。

 そもそも何故、私がこんなにも料理が下手かというと、和菓子に使わない調味料の量の加減が、一切分からないのだ。

 和菓子は仕事なのでしっかり分量を量って作るのだが、それ以外の料理は全て大体で材料を投入している。いや、仕事以外で気を遣うなんて嫌じゃない。

 ちなみに今回の肉じゃがは味見を一切していない。その方がスリルがあるしね。


「え? こんなに?」

「でないと勝負ならないでしょうが」


 由起彦が大皿にたっぷり盛った肉じゃがに文句を言う。


「何だか僕も嫌な予感がしてきたんだけど」


 由起彦の様子がおかしいので、さすがに坂上の顔にも冷や汗が浮かんできた。

 いや、この肉じゃがは既に匂いがおかしい。

 ここで仕切り役の実知が前に出る。


「さてさて、ご両人。いざ尋常に勝負されよ。始め、で開始だからな」


 由起彦と坂上を交互に見る。


「カウントダウン! サン、ニー、イチ、始め!」


 二人同時にスプーンを料理に差し入れる。

 そして口に入れ、同時に顔が青くなる。


「冗談でしょ?」


 思わず坂上が言葉をこぼす。

 隣の由起彦は二口目に取りかかっている。

 それを見た坂上も目をつぶって二口目を口に入れる。

 壮絶な戦いの始まりである。


「え? そんなにすごいの?」


 咲乃さん、大喜びである。


「試食しますか?」


 恵が余った肉じゃがを小皿に入れ、咲乃さんに渡す。

 それを割り箸で食べる咲乃さん。


「あれ? 普通じゃない」

「ええっ?」


 その場にいた全員が声を上げた。


「普通、普通」


 咲乃さんはパクパクと小皿の肉じゃがを平らげた。

 それを見た勝負中の二人も、負けじと肉じゃがに向かう。

 やはり耐性のある由起彦が有利か。でも坂上も意外と粘るな。

 二人とも汗をかきながら食べ続けている。

 私もちょっと味見してみよう。

 小皿に入れて、自分のお箸で食べてみる。

 え? 何これ?

 え? こんなの食べてるの、あの二人。

 二人とも懸命に食べ続けている。確実に量は減っていく。

 こんなのをあんなに一杯。


「お、水野、有利。水野、有利。坂上、追い上げているが間に合うか?」


 実知の実況だ。

 これって何の勝負だったっけ?

 そう、坂上を撃退する為の勝負だ。

 その坂上は今、私の料理を食べ続けている。

 このとんでもない出来損ないの料理を。

 ああ、こいつ本気だ。どうしよう、こいつ本気で私が好きなんだ。本気で勝負してるんだ。


「駄目だよ、みこちゃん」


 立ち上がりかけた私の腕を、いつの間にか隣にいた咲乃さんが引っ張った。


「勝負が終わるまでは駄目」


 さっきまでとは違う真剣な表情。

 そう、この勝負、ちゃんと最後まで見届けないと。


「水野、底が見えてきた。坂上、このままでは追い付かないぞ」


 坂上が突如皿を持ち上げた。一気にスプーンでかき込んでいく。


「勝負あり!」


 実知が二人を手で制す。

 坂上が皿をテーブルの上に置く。まだ少しだけ、ほんの少しだけ残っている。

 そして由起彦の皿は空。完食だ。


「水野の勝利!」


 実知が高々と由起彦の腕を掲げる。

 がっくりと肩を落とす坂上。いつもの笑顔なんてどこにもない。そりゃそうだ、あんなに頑張ったもんね。


「さ、みこ、契約書を読み上げろ」


 実知が契約書を渡してくる。

 どうしよう。勝負、終わっちゃった。

 誰か助けて。

 咲乃さんを見る。

 真剣な表情で私を見てくる。

 仕方がない。これは勝負なんだ。

 私はゆっくりと立ち上がる。

 由起彦と坂上が私を見上げる。

 

「『坂上俊輔は、野宮みこの料理を水野由起彦とどちらが早く食べ切れるか勝負します』」


 テーブルの周りにいる全員を見渡す。

 全員私を見ている。


「『勝負に負けたら、坂上俊輔は……坂上は……』」


 もう限界だった。私は手に持った契約書を破った。びりびりに引き千切っていった。


「みこ……」


 実知のつぶやき。


「ごめん。みんな、ごめん」


 もうそれ以上言えなかった。

 みんなに背を向けて部屋を出て行く。涙にまみれた顔なんて、誰にも見せたくなかった。




「あれで良かったんだよ」


 翌日のジョギング。

 咲乃さんがそう言ってくれた。


「でも、二人とも頑張ってくれたのに」

「まぁね。でも、みこちゃんらしくていいよ」

「咲乃さんが坂上を振った時、あいつどうでした?」

「泣いてたよ。でも私は振ったの。私はドライな人間だから。でもみこちゃんは違うの。それでいいと思うよ」


 駅前にたどり着き、二人で歩く。

 駅を見ると、ホームに見知った人影が。


「おい、坂上! 今日ちゃんとバイト来なよ!」


 驚いた顔の坂上が小さく手を振ってくる。

 私は大きく手を振る。

 電車がホームに入って、坂上の姿は見えなくなった。


「あーあ、変な勘違いさせちゃった。しーらないっと」

「え? そんなつもりじゃないですよ?」

「しーらないっと」


 咲乃さんが意地悪な笑顔を見せてきた。


 いまいち由起彦が頑張る動機が見えて来ないので、以下のセリフを加えました。

 みこと坂上が契約書にサインする直前です。


-------------------------


「由起彦、あんた絶対勝つわよね?」

「お、おう」

「え? いまいち頼りないぞ?」

「絶対に勝つ。みこを坂上なんかには絶対に渡さない!」

「よし、その意気だ!」


-------------------------


 後からすみません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ