07 チェシャと覚醒
どもっ!カミリアっす。
学校更新イェーイ♪隠れて更新中でーす♪
題名通り、チェシャ視点です♪
チェシャはアリスが妖精であって、納得した。
彼女と最初に会った時、ただならぬオーラを感じた。
恐怖、とか怯える、とかそういう感じではなく―――。
ただ純粋に、温かく人が惹かれるような感じだった。
ウサギやチェシャも例外ではなく、ただ単純に――傍に居たいと思う。
彼女は性格も良く、人を思いやる。人に好かれやすい。
そういう感じだからこそ、彼女にさらに惹かれる。
何故か急に懐かしさが溢れる。
「………大丈夫」
私がついてるよ。何があっても――――。
アリスは「怖い」とか「大丈夫かな」とか言いつつカプセルに入る。
「チェシャが大丈夫っていうなら大丈夫だろうけど」
誰にも味方しなさそうだし。そういい、アリスは苦笑した。
「………(こく)」
チェシャは頷いた。
「んじゃいっくよ〜!!」
サキが言い、ボタンを押すと扉が閉まる。
「…………大丈夫、私がいる」
アリスは首を傾げるだけだ。
チェシャはその動作が、可愛くてしょうがない。
カプセルに手を当てた。
「…………」
チェシャにとっては『自分がついている』との動作をしたつもりだが、アリスが気付くかどうかは少し不安だった。
アリスは顔を上げた。
そして手に気付き、微笑むと手を当て返した。
気付いた。チェシャは頷いた。
「起動!!」
サキはレバーをひいた。
ウサギならば『旧式のロボットか!』とツッコミそう(事実昔ツッコんだ)だった。
アリスのカプセルに水が溜まる。アリスは驚いて何やら言っていたが、別に驚くモノではない。あの水は特別なモノで、『ねくたる』とかいう名前だった、とチェシャは思う。
そんなチェシャを見て、アリスはよくは分からないが、大人しくなった。大丈夫と考えているらしい。
カプセルの中は水で一杯だ。
アリスは目を閉じている。
『ねくたる』は中でも息ができ、そして能力の発見を見つけ易くする、スグレモノであった。
「この反応は銃かな?銃系能力だね。」
サキがパソコンをいじりながら呟いた。
チェシャはアリスに視線をずらす。
「…………アリス?」
チェシャにはアリスが辛そうに見える。
「……サキ……アリスが、おかしい……」
「イヤーッ!!!チェシャに名前を呼ばれたッ!!!」
俺大量鼻血出血で死ぬッ!
などとほざくサキに違う意味で大量出血死させてあげよう、というチェシャの殺意を感じたのか、サキはチェシャに寄った。
「辛そう」
「確かに。原因を調べて見ようか。」
と言い、サキがパソコンに触れようとした。
ビィイイィイイーーッ!!!
音が鳴る。
「……何……!?」
サキはパソコンを見て、顔を真っ青にした。
「の、能力値上昇っ!!!カプセルの限界まで500!!!」
サキは叫ぶ。
能力値とは能力の力の事。
ゲームで言う、攻撃力と考えて欲しい。
「嘘、いくつ」
「…限界まで350……200…100…50…1…い、10000越えっ!!限界!!チェシャ、伏せろォオオ!!」
バリィイィイイィン!!!!
チェシャが伏せると同時にカプセルが割れる。
「アリス……アリス!」
アリスの目には感情が篭っていない。虚ろに天を見る。
アリスの身体は宙に浮いている。
「我が名は『アイ・フェアリ』……『森』と共に生きる存在。何があっても逃亡は禁忌」
ぶつぶつと何かを言うアリスに、初めてチェシャは怯えた。
…………オーラが凄い
あんなに優しかったオーラが、今は狂気に満ちている。
莫大なオーラで、能力者じゃなければ近くにいるだけで気を失うだろう。
「……サキ……どうすれば…」
「分からない。とにかくシンラ、白雪、かぐや、ウサギ、ジャックあたり……あ…あとクィーンも呼んで。」
「OK」
チェシャは能力を使うことを決めた。
「《変型》」
チェシャの身体に光が纏う。
「《化け猫》!!」
チェシャがどんどん小さくなる。
「《鷹》」
光が無くなった時には、チェシャが鷹になっていた。
『……行ってくる…気をつけろ、サキ』
「早くしないとアリスたんに、いろいろやっちゃうよん♪」
『……………』
チェシャは飛び立つ。
『シンラ!!!!アリスが暴走したぞ!サキにシンラ、白雪、かぐや、ウサギ、ジャック、あとクィーンもだ!』
「分かった。」
シンラは立ち上がると放送した。
『白雪、かぐや、ウサギ、ジャック、クィーン!至急管理室に来い!急いでだ!』
来た全員に軽く説明し、研究室まで連れてきた。
「「「「「サキ!!!!アリス!!!!」」」」」
研究室の扉を開ける。
すると研究室は…………
跡形も無く破壊されていた。
最後までお読み頂きありがとうございました!