02.アリスとはじめのいっぽ。
カミリアです。
間があいてしまいました。
申し訳ございません!
新キャラ登場です。
和服少女の京都弁は未熟ですが多めに見てください!
どさっ。
バケモノは倒れた。
「…………………」
アリスは何も喋れない。
「大丈夫どすかぁ?」
和服少女が振り向いた。
「……っ」
アリスは思わずビクッとしてしまう。
「ほら言っただろ?」
先程からビルの上に立っていた二つの人影は、なんとビルから飛び降りた。小さなビルだが、それでも五階はある。
「…………!!!!」
飛び込み自殺だぁあー!!!
アリスは口を開けた。
なんと二人の人影は綺麗に着地した。
「…………きゅう」
アリスはそう言うと意識を失った。
「気絶したな」
飛び降りた片方の少女がいった。
「そりゃそうだ。訳も分からずバケモノに追いかけ回され、そのバケモノを目の前で少女が日本刀で倒して、それから五階建てビルから飛び降りて、着地してみ?フツーの人だったら心臓破裂するでしょ?」
もう片方の少女も言う。
「どないする?」
「とりあえず…本部に連れてくか。」  ̄ ̄
アリスは目を開けた。目の前には白い天井が見えた。
………ここ、どこだ。
アリスは上半身を起こした。
辺りを見回すと、小さな部屋だった。ベッドと椅子が二つずつ置いてあるだけだった。
ふと足に何かが乗っているのに気付いた。
「すー……すー…」
それはとても気持ちよさそうに寝ていた。
………誰だ、コレ。
アリスは寝ている人を凝視した。よく見るとそれは、さっきの関西弁(?)和服少女であった。
……………さてどうしよう。
さっきの夢のような出来事は和服少女を見る限り、夢ではないらしい。
「目覚めわる……。」
アリスは呟いた。その声に反応したのか否か、和服少女は起きた。
「あら、お目覚めどすか?」
「はぁ…あのここはどこ?あなたは誰?」
「ここは、《WONDERLAND》(ワンダーランド)どす。ウチは月姫華紅耶どす。」
うわ大層な名前。
「あ、はぁ。」
「あなたは?」
「あ、アタシ節儀亜梨子っていいます。あの、かぐやさんは……どこ出身ですか?」
「かぐやでええよ。ウチの出身は京都え。」
ああなるほど。アリスは心の中で納得した。
かぐやの上品な感じが、京都のイメージにピッタリと合ったからだ。
「…で、あの…そのですね……さっきのは…」
「ちょお待ってな〜?もーすぐしたらシンラはんが来るんどすえ。話があるとかなんとかで、たぶんシンラはんが説明してくれはるわ〜。」
「…はぁ。」
「アリスはんて、べっぴんやなぁ〜。」
美人のかぐやに言われたため、アリスは少し舞い上がった。
「いやいや、かぐやの方が綺麗…あ、アリスでいいですよ。」
「そんなことないで〜?かいらしーわ〜。」
かぐやはアリスの頭を撫でた。
その時、ドアが開いた。
「かぐや、いるのか?」
そこには金髪ハーフアップおだんごの綺麗な少女と、黒髪ボブのカワイイ少女がいた。
「あ〜、シンラはん、白雪はん〜。アリスがな目覚めたどすえ」
「……アリスと言うのか。私は柄須新羅という。」
「アタシは林白雪よ。」
「あ、節儀亜梨子です。」
「早速だが、アリスに伝えなければいけない事がある。……心して聞け。」
「あ、はい。」
シンラは椅子に座った。
「単刀直入に言うけど…」
白雪は言った。
「アンタはワンダーランドから転生した女。世界を破滅させる力を持っている。今すぐ死ね!!!」
「なんでよ!!」
アリスは思わず叫んでしまった。
「単刀直入過ぎでしょ!!?訳分かんない!」
「確かに説明不足だな」
「死ねまで言ったんどすか。」
「事実じゃん?」
「もっとわかりやすく話してよ!!訳分からない。なんで死ねって言われたのか、バケモノは何だったのか、転生って何なのか、ワンダーランドって…」
「ああ、言いたい事は分かる。白雪!」
「あん?」
「脳をフル開店させてわかりやすく説明しろ!」
「なぜアンタに命令されなきゃいけないのよ!死ね!」
「私のが立場が上だからだ。…骨砕けて死ね。」
「アンタが死ね、このホコリまみれ!灰かぶり!」
「毒林檎かじって心臓破裂して死ね。」
ケンカし始めたー!!!
アリスは唖然とした。
「あらあら、すんまへんなぁ。アカンで二人とも!アリスにまず説明せな。」
「…すまん。見苦しいところを見せたな。」
「いえいえ!」
「…私達と君の説明だったな。」
…君?アタシの事か?
いや説明しなくてもわかるよ!
だって自分じゃん。
この時、アリスはそう思っていた。
だけど“亜梨子”が知らなかった――
“アリス”を知ることになる――
最後まで読んで下さりありがとうございます!
ぜひ次話も見てください!
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