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00.プロローグ。
アリスはフツーの高校2年の少女――な、はずだった――
アリスは学校の課題が終わらないからと、居残りした。帰る時には暗くなっていた。
彼女は金髪ポニーテールで頭にリボンを付け、外国人のような綺麗な顔。まるで本物のアリスのような容姿であった。
だけど一つ、本物のアリスにはないモノがあった。
眼帯である。
アリスは『付けても付いていなくても、見えないからどーでもいい』らしいが、こんな格好をして制服を着ているため、彼女を知らない人によく言われるのが『コスプレイヤー!!?』であった。
「でも気にしない♪」
鼻歌を歌いながら近道の路地へはいる。
瞬間、立ち止まる。
アリスは容姿が良いため、よく絡まれていた。
だから、最近は勘で『入っちゃダメ』というのが感知できる。
だけど、今日は……。
「…コロサレル…?」
ポロッと出て来た言葉に恐怖を覚えた。いつもの奴らなら無視すればいい。
でも、路地の奥にいるモノは―
―――人じゃない。
アリスに対する殺気がびしびし伝わる。
アリスは動けずにいた。