表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/7

話をまとめるとこうだ。


白き色をまとうものは尊きもので、滅多に白を纏うものは生まれにくい事。

その中でも白き気高き獣は人とともにあり、世の秩序を守るもの。その姿は四つ足の獣に限るが、多様な姿があり気高く雄々しいもの。悪しきものに対し、立ち向かうもの。

…らしい。


ちなみに隣のお部屋、つまり私の両親の部屋にいるファルというのは私が生まれる前から我が家にいる白い犬のことである。

乳幼児の時期には見たことが無かったが、その前から我が家におり私とは会わなかっただけらしい。

乳幼児には動物がよろしくないとかなのかな?


しかし…その話だと我が家にいるファルは聖なる獣になってしまうが、みんなの対応がそれとは合わない。


ファルはあまり吠えないがお部屋で寝転がっていると、邪魔物扱いされていることが多々ある。

ただその場合も、ファル避けてと一言言うと、むくりと起き上がりのそのそと避けていく。外に出ても自分でタオルの上を歩き足を綺麗にする。



「うーん…」



昨日のお母様のお話の後、もうそろそろ寝ましょうと添い寝をされ寝てしまったため、今は翌日の朝。昼寝をしたわりにすぐに寝付いてしまったため、昨日はあまり考えられなかった。その分目覚めはハッキリしているが。



ファルって実は凄い生き物なの?

ただの賢い犬じゃなかったんだ。

でもならなんで、我が家にいるの?



「むずかしい…」


覚えることや考えることが2つ以上あると、パンクする私にはこれ以上考えることを脳味噌が勝手に放棄した。


それにお話に出ていた犬は勇敢で雄々しいって言うから、きっとファルのような犬じゃないよね。




なんてったって、ファルは大きさはあるが前世で言うプードルのようなもこもこの犬で、勇敢と言うより物音にビビり、人見知りで他人からは逃げるおうち大好きな女の子なのだから。







「ティア…何しているの?」

「おねぇさま」


考えることをやめ、お父様からもらった熊のぬいぐるみに抱きついてもふもふしていると勉強中の筈のお姉さまが部屋に来た。


「んと、くまさんともふもふ」

「…そうなの、たのしかった?」

「うん、たのしかったの」


今の私の話し方はなるべく子供らしくなるように心がけている。

このくらいの年頃の子が、どれくらい話せるのか分からず、言葉を選びつつ話しすぎにならないように心がけ話すせいか、少し言葉足らずになる場合がある。

前世では子供どころか結婚、恋人もなくいた私の頑張りではあるが、今の私はどの位話して良いかは探り探り。


でもなぜか皆、私が話すと一瞬言葉に詰まることが多い。

そして顔を背けられることもある。あ、でも口元を手で押さえたりしているので、くしゃみなのかな?

それでもちょっぴり寂しい。


まあ、気にしないのが一番と言うことにしているが。



「あのねティア、今日私のお友達が来ているの。それで、ティアも一緒に遊びましょう?」

「いいの?」

「ええ、私もルーイもティアと一緒に遊びたいわ」


にっこり笑顔のお姉様、かわいいなぁ。

いつもは格好いい部分もあるが笑顔はかわいい。

思わず私も笑顔になってしまうよ。


「じゃあ、あそぶ」

「ふふふ、ティアかわいい。さあ、一緒に遊びましょう」


手を差し出されその手を取り、お姉様とともにご友人の所まで行くことに。

というわけで、今日はお姉様の友人と3人で遊ぶことになりました。白い犬とかの難しいことは気にしない事にします。


これが菜摘ちゃんの前世でのモットーである。

明日は明日の風が吹くってね。




しかしここで初顔合わせになる、お姉様の友人はやっかいな方であった。知ってたら出会わなかったのになー…。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ