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『』はなくなり、「」で会話になります><
時は流れ。
こんにちは、ただ今幼児期満喫中な菜摘ちゃんです。
あれから、色々なことを体験し、自分が赤ん坊になっていること。
名前はティアノーラ、愛称はティアということ。
美幼女はお姉様、美女はお母様。あの場に居なかったが、後にやってきた、格好良いお父様がいること。
そしてここが日本ではなく、異世界リーシャルと言う国であるという事を、言葉言葉を理解し何となくだが分かった。
つらかった。
英語すら出来ない。
頭の出来が良いとは言えない自分に、新しい文法とか。
泣きそう。いや、実際は赤ん坊ですから事あるごとに泣きましたが。
ただ知識に関しては、頭が赤ん坊の為か、まるでスポンジに水が染み込むように吸収する事が出来た。
異世界だと理解した理由に、魔法が実際にあるという事。それをお母様が実際に私をあやす際に使用したのだ。
そんなに簡単に使って良いのか?魔法って。
それから月日がたち、分かったことだが、なんと私が生まれた家は貴族のお家だったようで、お家と言うよりお屋敷。
なので、お庭がとっても広い。
他にも、メイドさんに執事さんやら、わが家で働いている人がいる。
家の造りもヨーロッパな感じ。洋服も、ドレスだし。
まあ、そんな感じに私も2歳になり、よちよちとではあるが歩いたり出来るようになりました。
今も、お姉様と手を繋ぎお庭を散歩中。
お姉様の名前はサーリィア愛称はサリィ。瞳の色が綺麗な赤、と言うより朱色に近い色に、髪はサラサラのプラチナブロンド。
笑顔が可愛らしい三つ離れたお姉様。
私の面倒もよくみる優しいお姉様なのです。
そんな美幼女を姉にもつ私も、最近鏡を見て発見しました。
なんと、私も美幼女だった。お母様もお父様もお姉様も美人だから、当然といえは当然かもしれないが。
お姉様の見た目をキリッと表現するなら、私の見た目はふんわり。ふわふわ。
お母様に似たピンクブロンドのくるくるヘアーに、お姉様と同じ朱色の瞳、と今までの私にはありえない色彩になっていた。
黒髪黒目だったのに。
せいぜい脱色した茶髪が精一杯なのに、いろいろ飛び越えたみたい。まあ、世界を飛び越している時点で、なんでもありになっているが。
ただこのくるくるヘアーがくせものだ。時折、色んなものがひっかかる。
葉っぱや花ならよいが、ポタンやそれに付随して人間もひっかかる。
まあ、その場合は泣くだけだが。
二十歳過ぎで、そう簡単に泣くなんて…と思うかもしれないが、乳幼児期の辱めに比べたら。おむつ、入浴、おむつ、授乳。
女の涙は武器になるものだと私は理解した。
実際にお父様には有効であるし。
とりあえずは平和である。
綺麗に揃えられた芝生と、計算されて植えられた花。
まだまだ日差しが強いせいか、頭には日よけのつばの大きい帽子をかぶった幼い少女達が、手を繋いで歩いている。
それを見守る大人達と、時間が緩やかに流れている。
「ティア、ころんだら危ないからお手々離しちゃダメよ?」
「ん、ティアいい子!」
「えらいわ、ティアいい子いい子。」
そういいながら、ティアの頭を撫でるサリィ。
大人から見れば幼い少女が、それよりも幼い少女に対しているのが、なんとも微笑ましい。
「さあ、あそこの温室まで着いたらお茶にいたしましょう。」
二人に付き添っているメイドのリィに言われ、姉妹はしっかりとてをつなぎ温室を目指して歩く。