プロローグ
『』は異世界語です。
わかりにくくすいません。
ぼんやりと目が覚めた。
暗くて、ぼやけて、見えにくい。
ナニカが動いている。
なに?
体は動かないし、僅かな光が感じられる時もあれば、無くなる時もある。
怖い夢を見た時のように、声を出そうとしても、喉が震えてあーやうーなどの言葉しか出ない。
なんなの?
確かに私、木下 菜摘は昨日、夕方にバイトから帰ってきて、レポートをすませ、寝た筈なのに。
なんで、私の大好きなグレープフルーツのアロマオイルの香りがしなくて、甘いミルクの香りがするの?
『…………?』
『…!…………。』
『…………』
人の話し声も聞こえるが、聞いたことの無い言葉。
寝ている間に拉致られた?私なんて拉致してもたかが知れてるのに。
何か暖かいものに包まれる感覚がある。あぁ、目が開きそう。
『あ、見てかあさま!ティアのおめめはサリィと一緒よ!』
『あら、本当。ふふ、お父様とティアとサリィは同じね。』
『ティアとかあさま、かみの色同じね!』
目を開けると、すぐ近くに小さな女の子の顔。
美少女だ!いや、まだ小さいから美幼女か?
これだけ近ければいろいろ見える。他はぼんやりしか見えないが、幼女の他には美女が。
何やら話しているが、何を言っているかはさっぱり。
外国語単位ギリギリをなめんなよ。うーん見た感じ親子かな?母と娘、そんな感じ。
助けを求めようにも、話せない、分からない、動けないとか。
なんだか、涙が出る。悲しい。ハタチを過ぎて号泣とか、恥ずかしいのに、私の体は言うことを聞かなくなった。
『ないちゃった。どうしよう?かあさま?』
『よしよし、いい子。きっと、眠たくなってしまったのね』
ゆらゆらユラユラと、泣きつづける私の体が浮き上がり、揺れる。
話す声が聞こえて、そのまま私の意識は暗闇に落ちていく。