表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/9

運命の写真


翌日のフリーマーケットでの出来事を確認し、たくやとりょうはカメラの力が本物であることを確信した。二人は次のステップとして、より具体的な未来の出来事を写すための計画を立てた。


「次はどうする?」りょうがたくやに尋ねた。


「もっと日常的な場所で試してみよう。例えば、学校とか…」たくやは提案した。


「いいね。学校なら色んな出来事が起こるし、何かしら面白い写真が撮れるはずだ」とりょうも同意した。


翌週、二人は学校にカメラを持ち込み、休み時間や放課後に様々なシーンを撮影した。教室での風景、廊下での会話、校庭で遊ぶ生徒たち。たくやはあらゆる角度からシャッターを切った。


「これで十分だな。家に帰って現像しよう」とたくやは言い、二人は撮影を終えて帰宅した。


自宅で再び現像作業に取り掛かるたくや。りょうも一緒に手伝いながら、写真が浮かび上がるのをじっと見守った。


「さあ、今回はどんな未来が写っているのかな…」りょうは期待と不安が入り混じった声で言った。


現像が終わり、たくやは写真を一枚一枚確認していった。最初の数枚は特に変わったことは写っていなかった。しかし、一枚の写真が彼の目に留まった。


「これは…」たくやは写真を凝視した。


その写真には、たくや自身が倒れている姿が写っていた。周りには数人の生徒が心配そうに彼を取り囲んでいる。


「たくや、これ、お前じゃないか?」りょうが写真を見て驚いた。


「そんなはずは…撮った覚えはないけど、確かに俺だ…」たくやは信じられない思いで写真を見つめた。


「もしかして、これはお前の未来の姿を写してるんじゃないか?」りょうは不安げに言った。


「もしそうだとしたら、俺に何か良くないことが起こるのかもしれない。でも、どうすればいいんだ…?」たくやは混乱した。


「とにかく、この写真に写っている場所と状況を特定しよう。それで、何が起こるのか予測できるかもしれない」とりょうは提案した。


二人は写真を詳細に観察し、背景に写っている風景や周囲の人々から、場所と時間を特定しようとした。


「これは校庭だな。昼休みの時間帯っぽい」とたくやは言った。


「じゃあ、明日昼休みに校庭に行って、注意深く観察しよう。何か異変が起こる前に防げるかもしれない」とりょうは言った。


翌日、たくやとりょうは写真に写っている場所と同じ位置に立ち、周囲を警戒しながら過ごした。たくやは少し緊張しながらも、りょうと一緒に状況を見守った。


しかし、昼休みが終わるまで何も起こらなかった。


「何も起こらなかったな。もしかして、この写真は別の日のことを写してるのかもしれない」とたくやは言った。


「そうかもしれない。でも、これで少し安心できるな。今後も注意深く観察していこう」とりょうは励ました。


二人はこの経験から、未来の出来事が必ずしも確定しているわけではないことを学び、さらにカメラの力を探求していくことを決意した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ