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第8話

北側にある談話室に到着した秋五達三人は、一旦別れてそれぞれの部屋へと向かった。


寮の奥へと進むにつれ人の気配がなくなっていく、今の時間帯は昼なので殆どの生徒が談話室の隣にある食堂で食事を取っているため寮には人が少ない。

そんななか一人でズンズン歩いている秋五は、今朝のクラス割の掲示板と一緒に付いていた部屋の番号が書いてある鍵と部屋の番号を見比べながら歩いていた。秋五の持っている鍵の番号は『033』



「033・・・0・・・3・・・3・・・・・・あった。ってこれまた豪華なドアだ・・・だが馴れてしまったな」



そんな事を呟きながら右手に持った鍵でドアを開ける。カチャリと音が鳴りドアのカギが開いた、それを確認した秋五はドアノブを捻りドアを押す。



「うおっ!広。」



秋五が見た部屋は、一人部屋とは思えないほどの広さ。例えるならば、ごく一般的な学校の教室。そんな広い空間には、部屋相応な机とイスが中央に、窓際には屋根つきのでかいベット、すぐ横にはスタンド付きの机&イス、部屋の端には衣装ケースなどが置いてある。


それらの家具を見て回る秋五は、ベットの傍の机に置いてある何かに気が付き手に取って見た。



「何だろうコレ・・・生徒手帳?と・・・カタログ?」



机に置いてあったのは、生徒手帳と家具の絵と内容が書いてあるカタログだった。



「生徒手帳は良いとして、カタログってしかも分厚!!重!!何ページあるんだよ・・・ぺらぺらと・・・・・・・ん?なになに、『コレに載っている家具等は、寮の一階にあるカウンセラーにお越しいただきご注文をお願いいたします。追伸、これはサービスです。異世界から来て一文無しの人でもご安心ください(笑)。』・・・・・・。笑?、何だよこのカタログ!異世界から来た?俺しかいないじゃんか!!・・・・だけどタダならしょうがない、よろこんどこう。」



カタログを手に、ベッドに身を投げる。まだ馴染まないベッドにモジモジと体を動かし、ベッドの屋根をボッーと見つめていた。



「家具・・・か。キッチンでも付けてもらおうかな・・・・。あぁー何か眠くなってきた・・・、今日は色々あったし、寝ちゃおうかな。・・・・・・でも約束が・・・・・。」



行かなければならない。と思うのだが、今朝魔力を大量に使っていたため体の疲労はすでにピークに達していた。どんどん迫ってくる睡魔に負けそうになる秋五は・・・・・。



「zzzzzz]



睡魔に負けた。








・・・・・・・







『ミドリア村-マーティア家』



時がちょっと戻り、秋五とマリアがファミーリアに向かって出発した日



「ふぅー、行ったか二人とも。」



秋五とマリアを見送ったガリアは、ふー、吐息を吐き自分の家に戻る。


ドアを開け家の中に入って直ぐに自室に入るガリア。部屋の中では、身を守る鎧を付け、壁に立て掛けて置いた剣を腰に付いているホルダーに鞘ごとつけ家をでる。



なぜガリアが装備を整えたかと言うと、ガリアの日課・・・いや、職務でこの村の見張りをして、もし何かに襲われてもすぐ対応するためだ。ちなみにそんな事は今まで全くない。



ガリアの向う先は、村の真ん中に建つ警備塔。この塔は最近作り変えたので、外も中も綺麗を保っている。

警備塔には子供が数名遊んでいて、ガリアに気が付いた子供たちはガリアの元に駆け寄って遊んでもらおうとせがんだ。



「遊ぼうぜ〜ガリア〜」



「あそぼー、あそぼー。」



「ぼ、僕!鬼ごっこしたい!!」



「ははは、昼からな、今からおいちゃんはお仕事しなくてはならないからな。」



子供たちに後で、と約束をして塔の中に入っていくガリア。その後をついて行く子どもたち。これがいつもの光景、秋五が居た時はちょっと違ったが。


塔に入ったガリアは屋上の展望台に上がるための螺旋上の階段を、えっちらおっちらと上って行く。もちろんその後ろには子供たちが騒ぎながら付いて来ている。


屋上の扉を開け外に出る。子供たちは一斉に駆け出して展望台に備えてある望遠鏡をのぞいて村中を見ている。その光景を微笑ましく見ていたガリアも望遠鏡を手にして村とくに門の付近を観察し始める。


今日も何もないかと安堵のため息をついて望遠鏡から目を離したとたん、ドカーンと何かが爆発する音が響いた。反射的に爆発が起きた方向を見た、そこには煙が昇っていた。



「何事だ!?・・・お前らはここにいろ!絶対だ。」



ガリアは子供たちに忠告した後、返事を待たずに展望台から飛び降りる。地面に近づいてきたときに、風魔法を身体全体に帯びさせて数秒体を浮かせて落下時の重力を消し、着地を成功させた。


地に足が付いた瞬間、体に纏った魔力を今度は足に集中させて脚力の向上をさせ煙が上がっている場所に向かって高速で移動する。



爆音を聞いた村の住民達は、何事か?と混乱をしていたが展望台に居たはずの子供たちが、ガリアが向かった事をみんなに報告して回った御蔭で騒ぎは静まっていく。



ガリアが現場に着いた時には既に静かになっており、残っているのは魔物の肉が焦げた臭いと、大地の焦げた跡、死体というのはいっさい残っていなかった。



「なんて威力だ・・・」



戦闘跡をみて物語るのは、肉片すら残さない程の高い熱高い魔力で放たれた『火の魔法』を使われたこと。使った者はかなりの人物でガリアより強い・・・と言うこと。



「・・・・・・?どこかで感じた魔力・・・・」



焦げている大地に近づいたガリアは、少しであるがその魔法に使われた魔力を感じ取れていた。

その魔力はどこか懐かしい、以前感じたことがあるようだが、なかなか思い出せないでいた。とそこに二人の影がガリアの元に近づいて来る。


それに気が付いたガリアは、腰につけてある剣を鞘から抜き去りいつでも戦闘できるように構える。そんなガリアに対して呆れたような声を出す二つの内の一つの影。



「はぁー・・・忘れちまったのか?ガリア中佐・・・いや大佐になったんだっけか?」



「!!・・・お前は・・・まさか!?」



「久しぶりねガリちゃん!」



二つの影はだんだんと光が当たり姿が確認できるようになって来る。

二つの影の人物は、一人は長身の赤髪の男、もう一人は長い青髪の女。それを見たガリアはやっと思い出して彼らの名前を呼ぶ。



「チェストとザフィーラ!」



「よう!元気にしてたか?ガリア。」



「うふふ、老けたわねガリちゃん。」



赤髪のチェスト、青髪のザフィーラ、彼らは一体?







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