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第7話

ざわざわ・・・ざわ・・ざわ



入学式が終わり、自分たちの教室に戻ってきた秋五たち一同は、数個のグループができ思い思いのことを話していた。殆どの会話の内容は先ほどの入学式についてだ。

あの生徒会長もといミィーアのインパクトはみんなに深く印象付けるものだった。


秋五、マリア、シャルルも入学式の事を話していた。


ちなみに、マリアとシャルルの初顔合わせは教室に戻ってくる時・・・回想ドーン



・・・



秋五は合同室の扉をくぐって外に出て数歩前を歩いていたシャルルの元に早歩きで駆け寄る。それに気が付いたシャルルは秋五だけに分かるように優しく微笑み少しだが歩みのペースを落とす。本当は止まって待っていたかったが、数百人と言う数が後ろから来ているため止まったら後ろに迷惑をかけるし、下手をしたら将棋倒しになってしまうことは明白なのでペースを落とすだけにした。



シャルルに近づくことができた秋五はシャルルの右隣に付く。


その光景をみた他の生徒は見惚れていた。美男美女の二人が共に歩いている姿は絵になる、まるで二人が歩くと薔薇が敷かれてるように・・・だがそれを見て面白くなーいと思う人もシバシバ。その中の代表であるのは、マリアである。



「(誰?あの人。いつの間にシュウゴはあの人と仲良く・・・。あっ、なんかイライラしてきた。お似合いだ、って思っちゃうのがよけい腹立たしい。よしあの空間をぶち壊そう)」



そう心の中で決めたマリアは、ある一点を狙って歩るく。狙う場所は秋五の左隣り、シャルルの右隣つまり二人の間。


あはは、と会話しながら歩いている秋五とシャルル。後ろから迫ってくる獣には気付いていない。



ワシッ、と秋五の左肩をマリアは捕らえた。



「シューゴ!!これ以上薔薇の花弁を出すと、ここにいる男子女子が襲いに来ちゃうぞ☆」



言っていることがいまいち分からない、秋五とシャルル。


マリアは掴んだ手をガタガタと震わし徐々に力を入れていく。それに恐怖を感じた秋五は取り合えず謝ろうと思った。



「い、痛いから。・・・よく分からないけど、ごめん」



それでも肩から手をどけないマリア。その後、ひたすら謝って許してもらうことができた。


その光景を見てシャルルは、親しくなった秋五にひたすら謝らせるマリアにすこーし、怒りを感じた。



いがみ合っていても仕方がないので自己紹介をすることにしたマリア。



「ようし!自己紹介をしよーう。私はマリアリア・マーティア、マリアって呼んでね。貴女は?」



「私はシャルル・ルア・オフィニシアと申します。・・・マーティア、どこかで聞いた覚えがありますわ」



「そうなの?・・・って、貴族の方!しかもオフィニシアって『オフィ二ア城』の王様と同じ・・・・・・」



「ええ」



「ふへぇー」



オフィ二ア城と言うのは、水の都として有名である『ターニタス』という街に建っている城の名前。その城の主もとい王様の名は、ボルティニア・ルア・オフィニシア。シャルルと同じ家名である。となれば考えられるのはシャルルはボルティニア王の娘、オフィ二ア城のお姫様ということ。



自己紹介が終わった二人はさっきまでの雰囲気が無かったかのように楽しく話し合う。

秋五はと言うと蚊帳の外である。寂しさを感じた秋五は何とか話に入ってシャルルの事についてさらに詳しく尋ねた。


フォミーティア学院の生徒のほとんどは貴族なので、どこぞの姫、と言うのは何百と居るのだがオフィ二ア城の姫となると話は別。オフィニア城の権力、武力共々他の城と比べると遥かに上をゆく。その原因はその城の王ボルティニアにある。ボルティニアは『水系の王』と言われておりその肩書きの意味する事は、『水系』これは魔法の火、水、雷、風、土の中の水を表す、『王』はそのままの意味、頂点を立つ者の証。つまり水系統の頂点に立つ者、と言う意味がある。ボルティニアは得意の水魔法を生かして、『海輸船』を作り海を渡れる様にし他の大陸との貿易を盛んにした。

秋五が知ることができたのはこれくらい、とにかくシャルルの父は凄い人。



・・・・




回想終了。



三人の話は入学式のことから席の場所についての話に切り替わった。この話を切り出したのはマリアであった。



「なんで私だけ離れてるのーー!!」



これが始まりで、次々とマリアの口から出る言葉はクレームの嵐。その様子を呆然と見ている秋五とシャルル、二人が思ってる事は同じだった。



「「(五月蠅い)」」



二人は意外と冷たかった。


このままにしとくのも他の人に迷惑をかけてしまうので早々にマリアを黙らせることにした。それと同時に教室のドアが空き、それに反応した教室の生徒たちは口を閉ざし、自分の席に戻る。


入ってきたのは、20代前半のぐらいの女性。胸元にはエンブレムが付いており色が赤、中心には「1教」と書いてある。



「(似たような紹介を聞いたなぁー・・・ってあの人は。)」



秋五は入ってきた女性を見てふと思い出した。門のとこであった教師のアキュルのことを。「あっ!!」と声が出そうになったが、目立ってしまうのが嫌な秋五は出かかった声を飲み込んだ。


アキュルは黒板の前にある教卓に持っていた資料を置き生徒の方に向き、自己紹介をし始める。



「今日からこの1−2を担当する、アキュル・オーメントと言います。一年かよろしく〜」



アキュルの自己紹介はなかなかフレンドリーなものだった。



「よし、こんどはみんなの番です。えっと・・・・左端の君からずらーとお願いします。」



そう言われた左端の男子は勢い良く立って自己紹介を始めた。指定された順番により秋五の紹介は一番最後になった。


マリアの自己紹介もフレンドリーな感じで行われた。シャルルの紹介は丁寧なものでみんなは「おおお〜〜」と歓声を上げるほど



秋五はと言うと・・・



「響谷 秋五、家名は響谷。趣味は読書。・・・以上です」



かなり素っ気ないモノになってしまった。



自己紹介が一通り終わり、後は連絡事項などをしてアキュルは教室から出て行った。そのとたん教師はガヤガヤと騒ぎ始めた。

マリアは、秋五とシャルルのいる席に向かい合流する。三人は今後の事について話し合った、でた提案はまず自分の部屋に行って談話室で再度集まることになった。


三人は一緒に北側にある談話室に向かうため教室を出た。




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