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第6話

ピンポンパンポ〜〜ン



「あー、あーあーーー新入生の皆様。入学式を始めますので、次の放送で言うクラスの順にフォミィーティア本部の五階、合同室までお越しください。生徒会長からでした・・・・・・・。ハァー、ちゃんと言えた」



「会長!まだ伝達器の魔力切り終えてません、聞こえますよ」



「なー!ちょストップ!ストーープ!!」



「「「「わはははは」」」」」



プツン



「「「・・・・」」」



いきなり教室の天井に付いている伝達器から声が伝わる。伝達器、機械が発展してないこの世界の代りに何かの動力源として『魔石』を使って生活を楽にしている。伝達器がそれの一つ。それには『風の魔石』を使ってあり、人の声や音を遠くの場所にいても伝えれるようにした物。いわゆる放送機


伝達器から伝わった声は、入学した一年生を呼ぶものだったのだが、生徒会長を名乗るものがいきなりやらかして、周りにいた上級生たちに笑われていた。これでは威厳も何もない



そんな放送を聞いた一年生は、いきなりの事に面食らって誰も言葉を発しなかった。


いち早く正気を取り戻したのは秋五は、隣を見るとまだポカーンとしているシャルルの肩を揺する。



「おーい、正気を取り戻せ」



その声でシャルルだけではなく、同じクラスの人も立ち直っていく。



「・・・。もうすぐ入学式ですわね」



シャルルは最後の方の放送の事には触れないように、秋五に話しかける。それを「そーだなー」と受ける。正直さっきの放送のインパクトがありすぎてまだぼーとしてた。ところに再度放送が流れる。



ピンポンパンポ〜ン↓↓



「・・・・しまった、音下げちゃった。」



「終わらせてどうするんです!!会長!!!」



「「「「わははははは」」」」



また似たような放送が流れた。その放送を聞いてまたポカーンとした秋五達。その後小さい声で「もっかい、もっかい」と聞こえまたまた放送が流れる。




ピンポンパンポ〜〜〜〜ン!!!!



「わっ!!ビックリした。」



「魔力の上げすぎです!!会長!!!」



「「「「わははははは」」」」



・・・・・・・



「「「「またかよ!!!」」」」



一年生全員のツッコミ、250人心が繋がった瞬間であった。

次の放送はちゃんとまともに行われて、1組、2組、3組・・と続いてくるように、と放送があった。数分後、一人の教師らしき人に行くようにと言われた秋五達2組。教室を出た先には1組の人が出終わっていた。それを付いて行くようにずらりと揃っていく。



「・・・長い。なんでシャルルは平気そうなんだ?」



秋五達が居たのは2階、3階上の合同室に行くのはちょっとしんどい。だが周りの人は涼しい顔で上っている。



「平気ってわけじゃありませんが、私の家はもっと階がありますので慣れ・・・かしら?」



「(・・・はいはい金持ち金持ち。だがシャルルが言うと、嫌味に聞こえないな。)」



そんな事を思いながらひたすら階段を上って行く秋五。やっと5階に到着し合同室が見えてきた。合同室の扉は教室のと比べるとはるかに超えるぐらい豪華で大きい、かなり無駄にお金を使ってある。秋五達はその扉に圧倒されていた。


扉の前で数分待つと、一年生が全員そろった。それを合図に扉が開く。



「新一年生、入場です!!」



生徒会長の声が響いた後、上級生の人からの拍手が始まる。合同室に入っていく一組、それをみて緊張をしているシャルル。それに気が付いた秋五は親の教えが頭に閃く。


秋五はシャルルの右手を握る、突然そんなことをされたシャルルはビクッと小さく体を跳ねらせた。だが秋五は何も言わない。何故か、それはさっき閃いた親の教え。その内容は「緊張をしている子を傍に見つけたら、黙って相手の手をとれ。お前が心の支えになれ」と言うものだ。まるで恋人相手にするような事だが、秋五は知らない。なぜ?そうとしか教えられてないからだ。



数十秒間の間手を握り続け2組の番に差し掛かった時、秋五は手を放しシャルルだけに伝わる声で。



「大丈夫」


と呟く


それでやっと手を握られた理由が分かったシャルル。「この人は緊張していた私の為に手を握ってくれたのだ」と。ふと、離された右手を見る。その右手は秋五の温もりがまだ感じれた、そのとたん何だか顔まで熱くなるのが分かった。

その後、シャルルは自分の番が来るまで顔の火照りを冷ますのに必死だった。



数人合同室に入った後秋五の番が来た。いつもの表情を保ち合同室に一歩踏み込む。そのとたん、ざわざわっと声が広がった。その原因は朝の騒動だろう。あんなに目立てばフォミィーティアの中に居た上級生でも噂は流れて秋五の事は知れ渡る。どのように知れ渡っているかと言うと・・・



「おっ!あいつが今朝の『癒し男』か?」



「ああ!!俺の情報に間違いは無い、今朝門を通る人に膨大な魔力の水魔法でありとあらゆる病を治したそうだ」



「てか・・・めちゃかっこよくね?」



「「「「キャーー、私の心も癒してーーー!!!」」」」



「・・・(どうなっている?ここまできてイジメか?)」



上級生には『癒し男』と広がっていた。騒いでいる上級生の声を聞いていても秋五にとってはマイナスの方に考えてしまう。

席に着くと目線が痛い程突き刺さる。特に女子生徒からの。



何だかんだで、一年生全員が合同室に入り終える。とスポットライトがステージの中央に集められる。そこに立っていたのは若干背の低い女の子だった。みんながその子に注目すると、女の子が一礼する。



ぺこり―――――ゴツ!!



礼をした時に、女の子は目の前に置いてあった台に勢い良く額をぶつける。その音が合同室に響き渡る。

それを見た全生徒は、笑いに耐えていた。さすがにここで笑っては可哀そうだ。


イタたた〜と呟きながら体制を立て直し、魔石を使ったマイク風味な棒を取り出す。



「一年生の皆さん、入学おめでとうございましゅ・・・・。ぼk、わたしはこのフォミィーティア学院の生徒会長をやらせてもらってます。ミィーア・デル・マルタリナです。よろしくお願いします。せれでは・・・」



自分が噛んだことはスルーしてどんどん話を進めるミィーア。入学式はあっと言う間に終わって一年生から教育棟に戻ることになった。







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