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Cloud=NOISE  作者: 下野 枯葉
学校祭編
15/17

十四話 使命のその後

 学校祭の喧騒。

 その中で暗い表情の少年、中世古悠太は足が震えながらも歩き続けていた。

「日向」

 声が無意識に出た。

 痛み、苦しみ、怒り……。

 全てが内側で蠢き頽れそうになる。

「日向」

 何度も何度も立ち止まりそうになる。

 何度も何度も泣きそうになる。

 何度も何度も死を覚悟しそうになる。

 しかし、それはできない。

「日向」

 会わなければならない。

 いいや。

 ……会いたい。

 その気持ちが悠太の体を動かした。

「日向」

 ゆっくり、ゆっくりと美術室のドアに手をかけた。

 開け慣れたドア。

「……日向」

 窓の外を見つめ黄昏に浸る日向。

 その背を見た悠太は込み上げる嬉しさを必死に抑えていた。

 一歩、また一歩……近づく。

日向の背中に烈と同じ覚悟を纏っているのを感じた。

「日向?」

 声を聞き、日向は振り返った。

 妖艶な瞳が悠太に刺さる。

 惹き付けられ、心臓を鷲掴みにされた。

 静寂を……時が止まる感覚を感じた。

 烈の力だろうか? ふたりだけの世界を悠太は知った。

「ゆーた、おかえり。ほら、おいで」

 優しい笑みと魅惑的な誘いを認め、胸に抱かれる。

「……ありがと」

 いつもの光景が美術室にあった。

「おかえり」

 月鳥神の使命を果たし、守護者は主の身を想う。

 震える悠太の頭を優しく撫で、壊れかけの心を癒す。

 力無く身を任せ、心を治す悠太。

「……ッ!」

 そして日向は大切な悠太を思い、涙を堪え震えていた。

 月鳥神と烈はその光景を見て、結末を知り、哀愁に満ちた。




 『月鳥神の最期』は美しく語られなければならないのだ。




 一方その頃……月鳥町の駅。

 地下通路の電球は点滅を繰り返し、寿命を告げる。

「クソッ!」

 頭を押さえながら金髪の男は悪態をついた。

「……ヴィス!」

 拳で壁を殴り、怒りを顕わにする。

「俺の生きる意味……その代償を払ってもらおう」

 ローブ姿の男が金髪の男の目の前に現れ、そう告げた。

「なっ! 南雲……トオル」

 恐怖と共に狼狽え、LSを起動する。

 超能力に集中する。

「殺してやる……殺し――」

「――死ね」

 ローブ姿の男は身動き一つせず、超能力を発動した。

 電球は消灯……否、破裂し光は消えた。

 数秒後、地下通路に点滅する光が現れた。

 ローブ姿の男の周囲には雷が瞬く。

 そして金髪の男は倒れ、息絶えていたのだった。

こんにちは、下野枯葉です。


最近、服装を気にしなさいと言われ、ユニクロに行こうと言ったら「無地はナシ」と言われました。

キツイ……。


さて、今回は『使命のその後』という題です。

前回、無事に使命を果たした悠太のその後。

美しく描いてみせましょう。

だって、神の御業ですものね。


ちょっと、短いですが今回は終わりです。


では、今回はこの辺で。





最後に、

金髪幼女は最強です。

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