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敵討ち

 翼が老人と出会ってから4年ぐらいたった。最近、翼が戦に呼ばれるのが減ってきたのだ。

やはり、九紫は人を殺すことが出来なくなった翼にはもう用はないと言うのだろうか。

一度、朱影剣を取り上げられそうになったが、明が来て「クビにするわよ」と脅してくれたおかげで、あきらめてくれたようだ。

 というのは置いといて、翼は明と過ごせる時間が増えたのが嬉しく思った。それは明も同じなのだ。

明と翼がかるたで遊んでいると、明が翼に近づき、こっそりこんなことを言った。

「外に遊びに行かない?」

「そ、外にですか?」

「うん、言ってみたいとこがあるの。」

「いいですよ。」

二人のヒソヒソ話は誰も聞こえなかった。


 夕方の時間、二人はこっそりと城を抜け出した。それから、城下町を抜け、目の前を流れる川の下流の方へ進むと、そこは沢山の木々に囲まれた池だった。

「姉上様、ここは?」

「ひょうたん湖っていうの。ここには神様が住んでいて、お祈りをすると願いが叶うんだって。」

明はひょうたん湖に祈りを捧げた。翼はその様子を見つめていた。

明は少し苦しそうな表情をしていた。明は小さいころから色んなものを背負って生きてきた。翼もひょうたん湖に祈った。彼女がいつか、色んな呪縛から解放される日を願って。

明は翼の方を見て「何をお願いしてるの?」と聞かれたが、翼は「内緒です。」と答えた。

しばらくして明が立ち上がった。

「そろそろ帰ろう。あ、帰りに城下町を散歩してようよ!」

「はい。」

翼も立ち上がり、歩き出した。木々の向こう側に出ると、朱雀城の異様な光景が見えた。

「な、なにこれ??」

そこには、城下町が燃えていた。そして、朱雀城が所々壊れていた。

翼は剣を抜いた。

「つ、翼?」

明は戸惑いながら翼を見た。翼は明を見て、こう言った。

「姉上様はここにいてください。いいですか?私が来るまで朱雀城には近づいてはいけませんよ!」

翼は朱雀城に向かって走り出した。後ろから「翼!」と呼ぶ声が聞こえたが、翼は気にせず全速力で駆け抜けた。


 城下町に入れば、沢山の人が倒れていた。翼はその中にいた城下町の住人の一人に駆けていき、その人の頭を抱えた。

「おい!しっかりしろ!ここで何があったんだ!!」

頭を揺さぶっても、その人は全く動かない。体は冷たく、硬くなっていた。

やはり、死んでいたか。

翼は朱雀城の方に走り出した。

足元の死体を踏まないように、まっすぐと朱雀城に走った。

朱雀城の入り口付近では戦士たちが火矢を構えていた。翼は戦士たちを蹴散らして城の中へ入った。

中は燃えてはなかったが、かなり荒れていた。

廊下を走っていると、家臣たちが倒れているのを見つけ、そのうちの一人の頭を抱え、揺さぶった。

「おい!おい!しっかりするんだ!!」

翼は、家臣の口が動いているのに気づいて揺するのをやめ、口に耳を近づけた。

「姫様・・・・」

「明姫様は無事だ。」

「よかっ・・・・。」

「しっかりするんだ!」

「倉庫の・・・・・隠し路・・・・」

「倉庫の隠し路がどうしたんだ?」

「そこに・・・・西村裕四郎の息子が・・・・九紫様と・・・・。」

「そいつが主犯だな?」

「ええ、ですが、翼様を向かわせてはなりませぬ・・・・見つけたら、姫様の元へ、向かわせてください・・・・。」

「なぜだ?」

「西村裕四郎の息子の西村幸四郎の狙いは、父親の、敵討ち・・・・・・、翼様の命で、ございます・・・・!」

家臣は告げるべきことを告げると、がっくりと力が抜けていくのを翼は感じた。

翼はゆっくりと家臣の頭を下すと、倉庫へ走っていった。

倉庫から隠し路を見つけると、そこに入っていった。


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