85トライやるウィーク・・・瘡蓋(かさぶた)
「もぐちゃんホントにお利口さん♪診察台の上でぽつんと放置されると、不安になるのか飼い主さんや人がいる方へ甘えに行く仔犬がホントに多いのよね♪」
「そうそう、それで『どうにか端に行くまでに体重計り終わってくれ!』ってよく願ってますよ♪」
松嶋さんと先生が本当に嬉しそうに話してる。
たかが体重測定、されど体重測定。
仔犬の成長確認に必須事項だからなぁ。そんな苦労かあるとは知らなかった。
そういえば初めての体重測定の時、広瀬さん身体は診察台から離してたけど、顔や手をオレの近くに寄せてたっけ?あれも仔犬を不安にさせないテクニックの1つだったのかな?
まぁオレはトイプーの鳴き声を聞いて怯えまくってたから、身体が動かなかったけど・・・・・怖かったんだからしょうがないじゃないか!!(泣)
それから聴診器で心音を確認されて、ソケイヘルニア、サイヘルニア、泉門の有無、歯並びの状態、フケの有無、皮膚の状態、睾丸がしっかり下りてるか確認された。
何度されても恥ずがじいぃぃぃ!!!(泣)
夏川さん、川野さん何をそんなにメモってるのかな?学校に提出するレポートのため?ふぅん、そうなんだ。・・・それオレの個人情報じゃないとダメなの!?(泣)
「耳の中はキレイですね。どれどれ。」
そう言ってからオレの耳の縁を真剣な表情で、もむように触っている。
「先生、それは何のチェックなんですか?」
夏川さんが質問した。
「ちょっとここにね・・・瘡蓋が有るとまずいんだよね。」
「「「ーーーッ!」」」
「「有るんですかッ!?」」
大地と川野さんと松嶋さんが息をのみ、みのりと夏川さんが詰問する。
・・・オ、オレ、病気なの?
「ないよ。」
ないのかよッ!!!
「びっくりしたぁ。」
大地の言葉に激しく頷くみのりと女子中学生。
「驚かせないでくださいよ!疥癬かと思ったじゃないですかッ!!!」
「瘡蓋だけで、疥癬はちょっと安直過ぎるんじゃないか?耳輪皮膚症だったり、ただの怪我の可能性もあるよ?」
激高して怒鳴る松嶋さんを楽しそうに見ながら先生が答える。
先生ってもしかして腹黒?
「先生?」
大地の責めるような声色に、先生が謝罪する。
「すみません。少しイタズラが過ぎましたね。」
「イタズラって。」
みのりが呆れた声を出した。
「まぁ、言い訳になりますけど、せっかく『トライやるウィーク』に来てる彼女達と初めて犬を飼うお二人に、人間にとってはただの瘡蓋が犬達にとってはさまざまな病気のサインになることもあるのだと知って頂きたくて。」
先生は苦笑いをしながら話してくれた。
疥癬とは寄生虫による伝染性の皮膚疾患で犬だけじゃなく人間にも影響を及ぼすこと。
耳輪皮膚症、(正式には耳介辺縁皮膚症というらしい)とは耳縁への血行障害から起こりうる皮膚の異常で完治が困難な疾患であること。
だから決してただの瘡蓋だと自己判断して欲しくないこと。
みのりと大地は犬を飼うのが初めてだ。(おそらく、いや確実に情報をリークしたのは広瀬さんだろう。)可愛いだけではダメなんだと、改めて教えてくれてるんだろう。
本当にここは犬が好きなスタッフばかりで、犬の為に行動してくれる。
接客業として大丈夫なのかと思うけど、オレにとっては本当にありがたい。
お読み頂きありがとうございます♪
沢山のアクセス、ブクマ登録、評価嬉しいです♪ありがとうございます♪




