81トライやるウィーク・・・動物病院の看板犬
「森山さん、森山もぐさーん。診察室へお入りください。」
動物看護師さんの声に促されてみのりと大地が診察室へと向かう。
うぅ、いやだ!もうかえろうよー!(泣)
キュゥ〜ン キュゥ〜ン キュゥ〜ン
どれだけ嫌がっても意味はなく、無情にも診察室の扉が開いた。
キャン キャン キャン キャン キャン キャン
診察室の中には以前オレの健康診断をした男性獣医師、先程オレの名前を呼んだ女性動物看護師、学校指定のジャージを着た女子中学生2人、その足下に可愛いフリフリの洋服を着せられているロングコート チワワ(成犬)と、同じく可愛いフリフリの洋服を着せられているミニチュア ダックスフンド(成犬)がいた。
いやいや、女子中学生までは分かるよ?今までの経緯からしても確実に『トライやるウィーク』でしょ!
でも、犬はなんだ!?動物病院だからいてもおかしくはないんだろうけどもッ!!
入院してるわけじゃないよな?
まるでオレの疑問を聞いていたかのように動物看護師さんが答える。
「びっくりさせちゃってごめんなさいね。このコ達はうちの看板犬なの♪噛んだりしないから安心してね♪」
動物病院に看板犬?
病気がうつる心配とかないのかな?
キャン キャン キャン キャン キャン キャン
ていうかさー!お前さー!看板犬なら吠えるなよッ!!ウェルカムしてくれよッ!!
元々、猟犬だった為よく吠えるイメージがあるダックスは目を輝かせながらしっぽを振って『キミはだれ?新しいお友達?』といった感じで歓迎してくれているのだが、チワワは確かに気は強いけれど、どちらかといえば愛玩犬・・・愛くるしいとはほど遠い表情でオレは吠えられている。
訳すなら『テメェ誰だ!誰の許可でオレの縄張りに入って来やがった!!』ってな感じだ。
オレとしては来たくて来たわけじゃないし、お前の飼い主が許可したんだよ!と言い返したいが、一方的に吠えられると怖いし、今から注射だと思うと、少しうるさいくらい別にいいかと思っていた。
よって無視決定!
キャン キャン キャン キャン キャン キャン
うん、やっぱりちょっとうるさいな。
「ノエルうるさいよ、ほらっ、向こう行きな。カレンもベッドに行こうね♪すいません、少し失礼しますねー。」
そう言って動物看護師さんはノエル(チワワ)を追いやるように、カレン(ダックス)を抱えて診察室を出て行った。
うん?なんか違和感があるな。




