73トライやるウィーク・・・トリマーさんは中学生?
「そろそろ良さそうやから行こうか」
大地に促されて向かったトリミング室の前には、前回お世話になった北川さんと学校指定のジャージを着てスタッフと同じようにエプロンと名札を付けた中学生の少女がいた。
女子中学生がなんでここに???
「森山さん、もぐちゃん、おはようございます♪本日はシャンプーコースでお間違いないですか?」
「「はい」」
そう言いながら不思議そうにチラチラ女子中学生の方を向く2人。
そんな疑問に答えるように北川さんが彼女を紹介してくれた。
「それから彼女は『トライやるウィーク』で、このお店に来てる春野桜さんです」
トライやるウィークと聞いて納得するみのり。
「もうそんな時期なんですね♪っていうことは、春野さんは中学2年生なんやね♪」
「は、はい!そうです!春野桜といいます!よろしくお願いします!!」
少し緊張しながらも元気よく返事する春野さん。勢いよくお辞儀し過ぎて170度くらい曲がってる。もはやお辞儀ではない。ただの前屈だ。
「みのり、その『トライやるウィーク』?ってなんなん?」
「中学2年生の時にやる学校行事の1つで簡単にいうと職場体験だよ♪気になる職業を選んで1週間体験するの♪」
そんなのあるんだ!この地域限定の学校行事なのかな?初めて知った。
「そうなんや・・・そういえばスーパーとかにもたまにおるよな?」
「そうそれ♪」
2人の会話が途切れたところで再び北川さんが話出す。
「それでなんですが、もぐちゃんは前回、爪切り&耳掃除をした時もお利口さんにしてくれてましたし、彼女にもぐちゃんのシャンプーのお手伝いをしてもらおうと考えているのですが・・・よろしいでしょうか?」
「もちろん♪もぐはあまりこど、じゃなくて若い人と接することが少ないので、もぐの為にも是非よろしくお願いします♪大地くんもいいよね♪」
みのり誤魔化せてないからな!?
「あ、うん」
大地もこの流れで反対できないだろう。
「ありがとうございます♪それではもぐちゃんのカルテを作らせて頂きますので、こちらの太枠内の必要事項をご記入ください」
「分かりました♪えっと」
みのりがオレを預けようと大地を見るが、北川さんが先に話出す。
「春野さん、もぐちゃんはまだお散歩デビューされてないワンちゃんなので、手を消毒してからお預かりしてくださいね♪」
「はい!分かりました!」
北川さんに促されて春野さんは手を消毒して、オレを預かる為にみのりの方へと手を差し出した。
「おおおお、お預かりりり、されて、いい頂き、ますッ!」
不安だよ!!
目を輝かせる春野さん。手がめちゃくちゃ震えてますけど!?
大丈夫なんだろうか?
みのりが春野さんにオレを預けた途端、オレの視界がめちゃくちゃ揺れる。
揺れ、止めて、酔うぅ。
みのりがオレのカルテの必要事項を記入していく。
「出来ました♪これでいいですか?」
「ありがとうございます♪はい、大丈夫です・・・シャンプー終わりましたら、こちらの電話番号にご連絡してよろしいですか?」
「はい、お願いします♪」
「では、お預かりさせて頂きます♪」
春野さんは北川さんに習うように慌てて挨拶する。
「おお預かりさせていいただだきますぅ」
怖ッ!春野さんオレを抱っこしたままペコペコ頭下げないで!!落ちたらどうするんだ!!
「もぐ、いってらっしゃ〜い♪」
「もぐ、頑張りや〜」
みのりと大地に見送られながらオレはトリミング室に入っていった。
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