50久しぶりの広瀬さん
「もぐ〜、着いたで〜」
着いたか・・・
飛び出し防止用リードを外され、大地に抱えられた。
「「「いらっしゃいませ〜♪」」」
店内に入ると店員さんが挨拶してくれた。
・・・見覚えのあるTシャツに、見覚えのあるエプロン、そして見間違いようがないあの名札!
昨日の話の流れから、もしかしてと思ってたが・・・
大地はそのまま2階へと上がる。
「いらっしゃいませ〜♪あら、もぐちゃ〜ん♪♪」
広瀬さん!!
やっぱり、オレが売られてた店か!
あの日は店の外観なんて見てなかったから店員さんを見るまで確信が持てなかったな。
「こんにちは〜♪もぐちゃんどうですか?元気にしてますか?ごはんちゃんと食べてますか?」
駆け寄ってきて、息つぎなしで大地に話かけてきた!
相変わらずだなぁ。
「こんにちは。最初はあんまりご飯を食べてくれなかったんですけど、最近は完食してくれて安心してます」
「あぁ最初はきっと緊張してたんですね〜、もぐちゃん、ごはんちゃんと食べてるの?えらいねぇ〜♪」
広瀬さんはエプロンのポケットに引っかけてるボトルスプレーで手を消毒してから頭を撫でてくれた♪
広瀬さんには永遠に伝わらないだろうけど、ごはんに苦労したオレとしては褒められると凄く嬉しい♪
「抱っこしていいですか?♪」
「ええ、どうぞ」
「ありがとうございま〜す♪もぐちゃん大きくなっぶほぉっ・・・ゴホッゴホッ・・・し、失礼しました」
広瀬さん両手でオレの脇の下を掴んで持つから、オレのお腹が丸見えだ。
おかしなハーネスの着け方してるからな(泣)
笑いたくもなるんだろう。
めちゃくちゃ歯ぁ食いしばってますよね!?
「大丈夫ですか?」
「はい♪大丈夫です♪」
復活早いな!?
「今日はどうされたんですか?」
「もぐの爪が伸びてきたので爪切りしてほしくて、それから前回頂いたトリミングのクーポン使えますか?」
「本日はご予約されてますか?」
「してないです。爪切りって予約しないとダメなんですか?」
「えっ?爪切りは予約なしですぐに出来ますが、トリミングですよね?」
「え?爪切りだけです」
グダグダだなぁ。
「前回お渡ししたトリミングのクーポンはシャンプーコースの無料クーポンなんです。なのでシャンプーコースご利用の時にご使用ください♪」
「今日はシャンプーコースって出来るんですか?時間どれくらいかかります?」
「もぐちゃんのシャンプー自体は1時間もかからないんですが、予約状況によって変わりますので本日出来るか確認いたしますね♪」
「お願いします」
「それでは、こちらへどうぞ♪」
広瀬さんはトリミング室に向かっていった。
ピンポーーーン♪
ガチャ
トリミング室の中から、凄まじいドライヤーの轟音と共に1人の女性が出てきた。
「北川さん今日飛び入りでシャンプーコース出来ませんか?」
そう言って、オレを掲げる・・・やめろ!
「すみません。今日はもういっぱいで」
北川さんが申し訳なさそうな顔でオレを見て・・・あっ笑いこらえてるッ!!今、間違いなく腹見ただろう!?
「じゃあ、爪切り&耳掃除でお願いします♪」
「はい、シャンプーのご予約はされますか?」
北川さんが大地に尋ねた。
「そうですね〜」
「森山さん、もぐちゃんの2回目のワクチンの予定は決まりましたか?お決まりでしたらワクチンの前にシャンプーするのがオススメですよ♪」
広瀬さん、森山さんって大地のこと?
名字はじめて知ったよ!!
「次のワクチンっていつがいいんでしたっけ?」
「ちょっと待ってくださいね♪」
そう言って北川さんにオレを渡す。
ポケットからミニ手帳を取り出して、目的のページを探すと
「そうですね〜。来週の日曜日以降ですね」
「じゃあ来週の日曜日にお願いします」
「かしこまりました。10時、13時、15時に空きがあります」
北川さんは予約表を確認しながら答える。
「じゃあ10時で」
「かしこまりました。お名前は森山もぐちゃんでお間違いないでしょうか?」
「はい」
「じゃあ、お預かりしますね〜ハーネス、1度外させて頂いてもよろしいでしょうか?」
「大丈夫です」
「では、少々お待ちください」
そうしてオレは北川さんにドナドナされた。
お読み頂きありがとうございますヾ(@⌒ー⌒@)ノ




