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198いらんお世話


ことりの背後からお父さんもやって来た。どうやら里帰りしたのはことりとお父さんだけらしく、お母さんは年末年始に仕事が入っているらしい。


お母さん忙しすぎだろう。


中庭からは勝手口の方が近いけど、ことりとお父さんは正面玄関へ回るようだ。


うん、そういうケジメみたいなこと大事だよね。


みのりとオレは一度正面玄関から入ってるので、勝手口から母屋の中へ入っていく。



「みのり、ハッピーは魚を食べたかい?」


お婆ちゃんがみのりに聞いてくるが、なんて答えるんだろう?


「ん〜ラッキーとフーも居て、にらみ合いみたいになって、結局食べなかったよ。」


まぁ、正直に言うしかないよな。


「ほーかぁ、まぁ、ほっといたら食べるやろ。」


オレが食べます!!と言えるならッ(泣)


「そんなことより、お父さんとことりが帰って来たよ。」


「ほーか♪ほーか♪」



ガラガラガラガラガラ



「お爺ちゃん、お婆ちゃんただいま〜♪」


「帰ったよ。」


ことりとお父さんが居間に入ってきて、お爺ちゃんとお婆ちゃんに挨拶してる。


「おかえり、どうや?混んどったやろう?座れたかい?」


何が?


「うん、新幹線は指定席とったし、JRも始発駅やから座れたよ〜。でも、やっぱり人が多かったわ〜。」


主語がなくてもことりには伝わったみたいだな。


そっか、ことり達は電車で帰省したのか・・・あ!帰省ラッシュ!!


みのりと大地が全力で避けるから、帰省ラッシュの存在をすっかり忘れてた。

渋滞にハマってたら思いついただろうけど・・・うん、それも嫌だな。


「おとっしゃぁ 、それは偉かったなぁ。」


お婆ちゃんがことり達を労うように声をかけた。


お婆ちゃん、ことりみたい。


ん?もしかして逆なのかな?


ことりん家に行くとよく『偉かったなぁ』って言われてたけど、これお婆ちゃんから帰省した時によく言われるから自然に身についたことみたいだ。



ことりは自然に会話から抜けて、廊下の方へ移動していく。


オレは後を追いたくて身をよじると、みのりが下ろしてくれた。

きっとニャンコーズが居ないからだろう。


ことりの後を追いかけると、洗面所でうがい・手洗いをしてるところだった。


振り向いて、オレに気づくとすぐに抱き上げてくれる。


そのまま居間に戻るのかと思っていたら、廊下の襖を開けてそのまま入っていってしまった。


そこはオレが入ってはダメと言われた仏壇のある和室だった。


あのぅ、ことりさん?オレ、お婆ちゃんから入室禁止されてるんですけど・・・


ことりは仏壇の前に敷いてある座布団の後ろに一度座り、横にオレを下ろした。


「もぐ、『待て』よ。」


はいッ!


ビシッと背筋を伸ばしておすわりします!

おやつがなくてもちゃんと言うこと聞きますとも!!



ことりは目の前にある座布団を横によけてから、座布団があった場所に正座すると、ロウソクに火を灯し、線香を立てて鈴を鳴らす。


チーン


そっと手を合わせ「ご先祖様ただいま帰りました。ことりでございます。いつもお爺ちゃんとお婆ちゃんを見守ってくださりありがとうございます。これからもよろしくお願い致します。」と言って顔を上げた後、オレを抱き上げ膝に乗せた。


オレ、バチ当たらないかな(汗)


ことりはそっとオレの前足を合わせさせると、「初めまして、もぐです。ハッピーとラッキーとフーと仲良くなれますように、見守って頂けますと嬉しいです。どうぞよろしくお願い致します。」とオレの代わりに挨拶と余計なお願い事をしたのだった。



巨 大 な お 世 話 だ よ ッ!!!(泣)


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