195名前とキャッチコピー
みのりはオレをぎゅっと抱きしめたまま、居間に入っていきダイニングテーブルの椅子に腰かけた。
「温かいお茶でも淹れようかい?」
「うん、飲む〜♪」
みのりの返事に黙って頷き、お婆ちゃんはお茶を淹れる準備をする。
ミャァ〜♪ ミャァ〜♪
お爺ちゃんに甘えっぱなしのハッピーは、すでに仰向けになりゴロゴロと喉を鳴らしている。
見てる分には、危険はなさそうなのに・・・ワンちゃんより強いとか聞いちゃうとちょっとな。
名前もハッピーは幸せになりますようにとか、ラッキーは幸運が訪れますようにとかで付けられたんだろうな・・・知らんけど。
ただ、名前はデンジャー(危険)とかに変更してた方が、キャッチコピー考えるよりも周りの人に分かりやすく説明出来ると思う!
ガリガリガリ ガリガリガリ
今度は何だ??
耳をすませて何処から聞こえてくるのか確認する。
あっちの、仏壇がない方の和室から聞こえてくるのかな?
ガリガリガリ ガリガリガリ
「ハッピーよ、ちょっと下りとくれ。」
お爺ちゃんはハッピーを床に下ろすと、ガリガリガリと音が聞こえる方へ向かっていき、窓を開けた。
ガラガラガラ
「おぉ、フーよ。お前さんも来たんかい?」
ニャン♪
新たに登場した黒猫のフーが鳴いた瞬間、お爺ちゃんの後についていき、あれほどご機嫌だったハッピーが硬直した。
しっぽが面白いくらいに揺れてる途中でピタっと止まった!
黒猫のフーの方もお爺ちゃんを見てご機嫌そうにニャン♪とか鳴いてたくせに、ハッピーを見て不機嫌になり、みのりとオレを見た瞬間、サッと窓から飛び降りて逃走した。
「あれが、人見知りしますが何か?お爺ちゃん意外には懐きません。黒猫だけど、触れたあなたはラッキーよ♪のフーちゃんか。」
だんだんとキャッチコピーが長くなってないか?
あとそのキャッチコピーにするなら、黒猫のフーの方にラッキーって名前をつけるべきだと思う。
それにラッキー、ハッピー、フーね〜。
ネタ切れか?
「はい、みのりお茶がはいったよ。」
「ありがと〜♪」
いろいろ気になることはあるけれど、ひとつ教えてお婆ちゃん。
「ねぇお婆ちゃん、まさかやと思うやけど、フーちゃんも?」
「犬には負けんよ。」
ここのニャンコども強すぎだろッ!!
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