192裏山
クンクンクン クンクンクン
オレは地面を嗅いで、周辺の安全確認をする。
土や水、草や木の匂いはまだ分かるんだけども・・・
なんか、こう、獣の匂いがするんだよね?
あっ、もしかしてネコかな?
ことりがキャットフードをお爺ちゃんとお婆ちゃんの家に持って行くとか言ってたし、ニャンコなら大丈夫だよね。
リーヤみたいにオレの瞳狙ったりしないよね?ね?・・・誰か〜大丈夫だって言っておくれよ〜(泣)
中庭には母屋と離れを繋ぐように、丸い石がいくつも埋められていた。
人間には気にならない段差もオレには、ちょっと邪魔に感じる。
あっ!飛び越えられないわけじゃないからッ!!そこは間違えないでくださいね!
オレはこの家に来た時から気になっていた、この二軒の裏にある山を見上げていた。
そこは結構な急斜面に小道を作り小さな畑をいくつも作っていた。
「この裏山の畑は全部お婆ちゃんが手入れしてるんだよ♪」
お婆ちゃんあんな高い所まで登れるの!?
「ちょっと登ってみようか?」
いやいや、いいです!結構です!全力でお断りです!
オレ、今気づいたんだけど実は高所恐怖症で・・・ってお願いだから聞いて!スタスタ歩かないで!!
だいたいみのりそんなサンダルで登るつもり!?
登山なめんなよ!(泣)
みのりは幅30センチほどのなだらかな坂道を登って裏山に入っていった。
オレは渋々後をついて行き、突然急になる坂道や幅15センチほどの細い坂道を登っていき、一番上の畑までこれた。
この裏山の何が怖いって、体感斜面45度位あるところもそうだけど、幅15センチの坂道なのに畑じゃない方に倒れると何メートルも落下しそうなくらい急斜面なこと、そして1番大事なのが、柵がいっさいないこと!!
ガクブル ガクブル ガクブル
そうだ!真下を見るから怖いんだ!!
よし、遠くをみよう!
わぁー海も見えるー近いうちに行けるかなぁー。(棒読み)
「もぐ〜、降りるよ〜。」
こらみのり!リードを引っ張るんじゃないよ!!登る時は上しか見てないから大丈夫だったけど、一度下を見るとだめなの!しっぽがしゅるんってなんの!!
引っ張るなぁぁぁぁぁああああああああああああああ!!!!!!!!!
結局、しびれを切らしたみのりが抱っこしてくれました。
だからなんであんなサンダルで動けるの!?