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191感慨とは?


カチャ


ん?


カチャという音と共に背後を確認するヒマもないまま、みのりにひょいと持ち上げられた。


そして勝手口から中庭に出たところで、なんの予告もなく、地面に下された。


「じゃあ、もぐ歩いてみようか?」


オレの背中を確認すると伸びない方のリードがセットされていた。


カチャはこれをセットした音だろう。


なんの感慨もなく地面に下された。


みのりの顔を見るかぎり、これからお散歩に連れ出してくれそうなのは分かる。


車に乗ったあたりから、お散歩デビューって地元じゃないのかよ!?とか思ってたし、車の通りの少ない田舎というか山の中というか、とりあえず安全なところで歩かせてみようっていう、みのりの気持ちも分かるし、ありがたいよ?言いたいことは沢山あるけど、これは本当。


でもさ、お散歩デビューって今かな!?

せめて大地も起きてる時にしない?



キュゥ〜ン?



みのりを見上げて首を傾げながら鳴いてみる。



「もぐ〜歩いてええねんで〜?あっ、やっぱりこの紐気になんの?慣れないのは分かるけど、お散歩の時にはつけないとあかんから、頑張って慣れような〜。よしよし、もぐなら賢いからすぐに慣れるよ〜。」



頭を撫でられました。



くそう、ことりならチョロかったのに!



・・・まぁいいか。

大地には悪いけど、オレは出来る限りの抵抗はしたはずだし、お散歩デビューはしたかったしな。

それに疲れてるところをオレのお散歩に付き合わせるのも悪いよな♪

よし!


こうして、大地への罪悪感を押しのけて、自分の欲望を優先させることにした。


初めて下された地面は砂の上で、一歩、一歩、歩くたびに少しだけ削れた砂が後ろ足やお腹にかかった。


これ、雨の日の後とかいろんなところに泥が飛びそうだな。


こんな些細な事でも新鮮だった。


いつかことりが言ってた『車椅子の視線になった時、いつもの景色が違って見えた。』みたいなことを言ってたが、本当にそうだと思った。


ただでさえ、チワワ視点になってまわりが巨大化したと思ってたのに抱っこから地面に下されただけで、さらに巨大化したように思えた。



ゆらりゆらり


自然としっぽが揺れるのが分かる。


さて、何処から冒険してみようか?


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