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190『母屋』と『離れ』


ガラガラガラッ


大きな音を立てて勝手口の扉が開いた。


「終わった〜。」


荷物の整理がついたようで、みのりと大地が居間にやってきた。


あれ?ずっとここに居たけど荷物どこへ持って行ったんだ?


「もぐ〜、お待たせ♪終わったよ〜♪」


正直、お爺ちゃんから離れがたかったが、癒やしが必要そうなみのりにおとなしく抱っこされることにした。


みのりはそのままソファーの正面にある和室へ入っていこうとしたが、「これ!犬を連れて入るんやないッ!」というお婆ちゃんの言葉にオレを居間に残して入っていった。


お婆ちゃん・・・もしかして動物嫌いな人??


オレはしょんぼりとしっぽを丸めた。


オレ、ちゃんとイイコに出来るよ?


初対面で信用しろっていうのは無理だと思うけど、訳も分からずシャットアウトされたようで落ち込んでしまう。



チーン



えっ?違うよ?タイミングはばっちりだったけど、落ち込んだオレの効果音とかじゃないからね!?


音が聞こえた和室を覗くと、みのりと大地が仏壇に向かってお線香をあげていた。



「みのり達は、ご先祖様に『ただいま無事に帰ってまいりました』ってご挨拶しているところやからな、邪魔したらあかんよ。」


お爺ちゃんに優しく諭されふらふらとお爺ちゃんの足元へ行くと優しく抱っこしてくれた。


「もぐは、ちゃんと分かってるんやな、お利口さんお利口さん。」


優しく撫でられる手に甘える。


うおぉぉぉおおおお!!!やっぱりお爺ちゃん大好きだーーーーーーー!!



「あっ、もぐまたお爺ちゃんに甘えて〜。」


全くしょうがないなぁとでも言いたげな表情でオレを見つめるみのり。


お爺ちゃんが好きだとダメなの??


「あー、すいません。俺そろそろ休ませてもらいます。」


「うんうん、疲れたやろう。ゆっくり寝ておいで。」


大地の退室の言葉に、お婆ちゃんが労いの言葉をかける。


そりゃそうだよなあ、普通に1日仕事をした後で徹夜で運転するなんて大変過ぎるよな。


そんな事を思いながら大地を見つめていると、大地はオレに手を振って勝手口から出て行った。



えっ?どこ行くの??


オレが身体を起こすと、お爺ちゃんがオレを床に下ろしてくれた。


オレが自由に行動する事が心配なのか、お婆ちゃんは顔をしかめるが何も言われないので、大地の後へついていく。


大地は中庭を抜けて、向かいの平屋に入って行った。


勝手に入っていいのか?


オレが勝手口からそれを見ていると、みのりが説明してくれた。


「もぐ、あっちの『離れ』が今日からしばらく泊まるお家やからね。」


『離れ』っという事はここは『母屋』という事だろう、生活するのは『母屋』で、『離れ』はお客さんが来た時用なのかもしれないな。荷物の片付けに居間を移動しなかったのは『離れ』に休むためだったんだな。


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