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188車酔い


「ーーー。」


「ーーーーーー♪。」


ぴくん!


大地とみのりの声が聞こえて、ガバッと起き上がった。


ガチャ


「おっ、もぐ起きてたんか。おはようさん。」


「もぐ、こっちおいで♪」


大地が運転席に座り、みのりも助手席に座るとオレを膝の上へと誘導した。


「お爺ちゃんとお婆ちゃんの家まで、もうちょっとやから頑張ろうね〜♪」


もうちょっとで到着するのか。長かったな。


もう朝の7時だった。


みのりの手からドッグフードをもらいもぐもぐと食べてると、大地がオレのことをチラッチラッと何度も見てきた。



あげないよ?



思わず身構えてドッグフード前足で隠すと、『誰が取るか!そうじゃねーよッ!!』とでも言うように、眉間にしわを寄せてジロッと睨まれた。



もしかして、大地は車内での飲食禁止派か?ドッグフードがポロポロ落ちないか心配してるんだろうか?


もしそうなら、今すぐみのりにドッグフードをあげさせるのを止めて欲しい。


噛むたびにポロポロ崩れるドッグフードをこぼさず綺麗に食べる自信なんてオレにはない!!(胸をはって言うことじゃないが・・・)



「もぐ、気分悪そうちゃうね〜。長距離移動初めてやから心配してたけど、大丈夫なタイプみたいやな♪」


「ことちゃんが脅すから心配してたけど、もぐは車が平気なタイプなんやな。ホンマに安心したわ。」


脅す?車が平気?どういう意味だ??



2人の会話を聞いて分かった事は、オレが『車酔い』をするかどうか心配してたって事だった。


ことりが友人とその愛犬(柴犬)とドライブを楽しんでいたら、柴犬が突如嘔吐したらしく、車内や荷物は悲惨な状態に、またその匂いからことりや友人も気分悪くなったことがあるらしい。


みのりや大地は最初その話を聞いても、ワンちゃんが『車酔い』するという事があまりピンとこなかった。


ましてやもぐは短距離とはいえ何度も車に乗ってるし、車に乗った事で体調不良になっている様子もなかった。


けれども、今回は初めての長距離移動・・・初めてのことにはやっぱり慎重になるもので、リードを買う時に訪れたペットショップで店員さんに話を聞くと、実際に『車酔い』するワンちゃんはいており、ペットショップでもワンちゃん用の『酔い止め』が販売されていた。


念のために『酔い止め』も購入したらしい。


大地がチラッチラッとオレを何度も見ていたのは、今ドッグフードを食べて気分悪くなったりしないか心配していたようだ。


それなのにオレはッ!ごめんよ大地・・・


そんなこんなしているうちに、窓の外の景色はどんどん変わっていき、ビルどころか民家も見えなくなり、今は山道を登っている。


もう一度確認したいんだけど、お爺ちゃんとお婆ちゃんの家に行くんだよね???


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