18怒ってます?
新聞を持って駆けつけたことりがオレの事を見下ろしてる
逆光で表情が見えず、自分が粗相をした罪悪感があるからか
ただただ怖い・・・
ビクッ!
無言でのばされた手が怖くて身体が震え、しっぽも股の間に入ってしまう
ことりはオレを抱き上げ、しっぽを持ち上げて肛門を確認すると
みのりさんにオレを預けて、黙々と片付けはじめた
「ことり・・・えっと、ごめんね、あの〜その〜・・・怒ってる?」
みのりさんはオレと同じように感じたようだ
けれど、その声はあまりにも小さく、犬じゃなければ聞こえないだろう
片付けを終えて戻ってきたことりは、少し申し訳なさそうな顔でオレの頭をなでた
もしかして嫌われた?我慢できなかったから?やっぱりオレ返品されちゃうの?
不安で不安でたまらないオレに、絶望へ叩き落すに十分な言葉を放つ・・・
「ごめんね、もぐ」
そう、たった一言。
皮肉にも優しいと思えるような声色で、オレは絶望へと叩き落とされた・・・・・
「ことり、やっぱり怒ってるんやね・・・」
「へ?」
「へ?ってなんやの!?なんでこんな事で怒るんよ!!こんなに小さいねんで!?」
「ちょお待って」
「粗相だってするよ!!」
「落ちつきって」
「もぉひどい!もぐが、かわいそう!!」
バチン!!
「お姉ちゃん♪ちょっと黙って人の話を聞こうか?」
デコピンという名の暴力で姉を黙らせた妹は、
今度は間違いなく怒ってた。
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