表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
179/878

179落とし所を見失うと・・・


「もぐ〜、なんで逃げんの??こっちおいで!!」


現在リビングにある長テーブルを挟んで、みのり&大地VSオレで鬼ごっこ中だ。


長いこと放置されたんだ、ちょっとくらい遊んでくれたっていいだろう?


ちなみに、ことりとお母さんは観客だ。キッチンに避難してる。


「もぐちゃんがあんなに走り回るんやったら、こたつ布団を出しといた方が良かったかもしれへんな。多少は足音が静かになるやろ。」


「でも、見通し悪くなるから捕まえにくくなるんちゃう?」


「そうは言うても、ほらっ、挟み撃ちにしてテーブルの下を使って逃げられたら意味ないやん。」



ぜーはぁー ぜーはぁー


テーブルの下に避難して、大地とみのりの位置を確認し、次の作戦を練る・・・さ、作戦?

と、とにかく、このテーブルを利用して逃げまくるんだ!(ヤケ)

オレはまだ捕まる訳にはいかない!!



この時のオレはムキになりすぎて落とし所をすっかり見失っていた。




「あっそうや♪」


ことりの楽しそうな声に耳を傾けて、姿勢を低くして様子を探る。


「お姉ちゃん、お義兄ちゃんこれ見て♪」


そう言って、ことりはみのり達が来る前にかけてあった鳥かごカバーを外した。


「ええっ!!?ピッチやん!!!」


「ピッチじゃなくて、リーヤ。今回のコからちゃんと名前付けてるから覚えてな。」


しまった!


またしてもリーヤにアイドルの座(?)を奪われた!!


ことりも余計なことを〜!



「ねぇことり、リーヤを出してよ♪」


「もちろんええよ♪お義兄ちゃんも触る?」


「俺はええわ。」


大地は鳥が苦手なのか?


少しずつほふく前進し、テーブルの端へ移動する。


「はい、どうぞ♪まだ飛べへんから気をつけてね?」


ことりがリーヤをみのりに渡し、みのりはリーヤを宝物のように両手に乗せた。


「はぁぁぁぁぁ、めっちゃ可愛いぃ♪リーヤ、リーヤ、みのりですよ〜♪」


ピィーピィーピィーピィーピィー


「すごいリーヤ♪お返事してんの?」


「リーヤって呼ばれてんの、分かんの?」


案の定みのりもことりもリーヤにメロメロだ。


みのりもやはりセキセイインコの扱いに慣れているようで、リーヤと会話するように小鳥のさえずりを真似しだした。


すると、リーヤはみのりしか見えないようになりジーっと見つめていた。


リーヤ、みのりはオレのだよ(泣)


「〜♪〜♪〜♪〜♪〜♪〜♪」


みのりはリーヤを見つめたまま口笛を吹き始めた。


みのりが紡ぐリズムにのってリーヤが楽しそうに頭を上下させる。



キュゥ〜ン


寂しくて思わず鳴いたオレは、すでにテーブルの下から出てきていた。


大地がそっと抱き上げてくれて、なだめるように背中を撫でながら「ただいま。」と言ってくれた。


うぅ、おかえりなさい。


「あっ!大地くん自分だけずるい!わたしにももぐを抱っこさせて♪」



みのり、オレのこと抱っこしていいから!全然いいから!!

お願い!リーヤをオレに近づけないで!!!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ