175鳥頭
ことりはリーヤに「ごめんね〜。ぎゅっとされて嫌やったね〜。」と謝罪して、鳥かごへ戻した。
あんなヤツに謝罪なんていらないよ!
キャン!キャン!キャン!
そう思って、抗議するように鳴くと、ことりがなだめるように頭を撫でてくる。
「もぐも、とっさに反撃とかせんでえらかったね。止まられても動かずじっとしてたからリーヤもケガしなかったんよ。びっくりしたやろうけど、ホンマにお利口さんやね。」
ことりに撫でられていると、気分が落ち着いてきた。
でも、まぁ、反撃したとしても過剰防衛になることは間違いないし、オレには劣るけど、ことりん家のアイドルだからな、許してやるよ!
オレが一番だけどな!
えっ?リーヤが一番じゃないかって?
・・・・・オレが一番なの!!
まったく、あんな凶暴な鳥に負けてたまるかよ!
ピィーピィーピィーピィーピィー
リーヤの方を見ると餌箱の上に乗ったリーヤがこちらを見つめていた。
な、なんか用か?
ドキドキしながら視線をそらさずに、次の行動を待つ。
リーヤは羽をバサバサと羽ばたかせてから、ピィーピィーピィーピィーピィーと鳴いて、オレと視線を合わせたまま首を傾げた。
まるで、『何見てんの?ていうか、あんた誰?あーごはんおいし〜。』っとでも言うような・・・
餌を食べながら、時おり戻す仕草をするリーヤをじっと見つめる。
どうやらリーヤの頭の中は餌でいっぱいで、さっきオレを突こうとしたことはおろか、ぎゅっと握られるように捕まえられたことや爪切りでさえも忘れてるようだった。
物忘れが激しい人のことを鳥頭とかいうのを知ってはいたけれど、リーヤを見てると鳥頭と言われた人が心配になった。
これと同レベルだと思われるってこと!?
まぁ、オレが心配してもしょうがないんだけどね。
それにしても、ことりは何を思って嫌われると心配したのかな?
リーヤもう忘れてるみたいだよ?
意思疎通が出来たら伝えてあげようと思った。
お読みいただきありがとうございます♪
リーヤはまだ子供なので忘れっぽいところがあります。
鳥の中には自分の家の住所を言えるセキセイインコや遠くから自宅へ帰れるレース鳩など、賢い鳥達は沢山います。
一概に鳥=おバカという訳ではありませんm(_ _)m