164お父さんのラーメン(後編)
ことりがいつもの席に座ったので、ことりの腕から降りてオレが許される所までキッチンへ近づく。
おすわりしてチラッとことりの方を見たら、こちらを見てたことりがふわっと微笑んで「もぐ、イイコ〜ね〜♪」と言った。
ことりからの了承ももらえたし、これでのんびりお父さんのラーメン作りを見学できるな♪
お父さんは空のどんぶりに沸騰したお湯を入れて温めると、再びやかんにお水を入れて加熱する。
冷蔵庫からウインナー、ちくわを取り出しスライスしていく。
スライスが終わった頃にオーブンレンジが鳴ったので、お餅を裏返して5分焼く。
そしてスライスした材料を鍋に入れる。
すると時間が空いたのか、使った包丁などを洗い始めた。やるな♪
今は何待ちだろう?
洗い終わった頃に、再びオーブンレンジが鳴り、扉を開けて中のお餅の出来具合を確認する。
まだ少し焼き足りないようで、扉を閉めて焼き続けた。
袋から麺を取り出し、鍋に投入すると菜箸で固まった麺をひっくり返してほぐしていく。
ある程度ほぐれたら卵を2つ、黄身を潰さないように割り入れる。
再びオーブンレンジが鳴り、お餅を確認すると、今後は満足いく出来だったようだ。
どんぶりに入れたお湯を捨て、再び沸騰したお湯をどんぶりの半分いかないくらいの量を入れる。
そこにスープの素を投入して菜箸で混ぜて、焼き上がったばかりのお餅をちゃぽんと入れる。
えっ?今なの?最後に乗せるんだとばかり思ってた。
次におたまで卵の黄身をすくいどんぶりに入れていくと鍋を片手で傾けて菜箸で麺や具材をこぼさないように注意しながらお湯を捨てた。
あとは麺と具材をどんぶりに入れてコショウをかければ完成だ。
「お待たせ、出来たぞ。」
お父さんがラーメンをことりの前に置き、自分も席に座る。
ちなみにオレもスタンバイする。
ウインナーとか良いと思いませんか♪
「いただきま〜す♪」
「めしあがれ〜。」
うま◯っちゃんは『とんこつラーメン』だった!
とんこつラーメンから漂うこってりとした匂いは、暴力的と感じるほどに空腹中枢を刺激した。
よ、よだれが。じゅるる。
どんぶりの中にはパッと見た感じ麺とスープしか入ってないように見える。
しかし食べれば中からウインナーやちくわはもちろん、スープをたっぷり含んだお餅が顔を出す。
お餅〜!!
お父さんもことりもめちゃくちゃ美味しそうに食べる。
オレの気持ちも知らないで(泣)
「あっ破れた。」
ことりの声がして、ことりの方を見るとお箸で麺を持ち上げていた。
半熟だったんだろう。
卵が絡みつきコーティングされた麺をことりが美味しそうに吸って咀嚼する。
「やっぱり卵が絡むとまろやかになって美味いわぁ♪」
いいなぁ。
オレもとんこつラーメン食べたいなぁ(泣)
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