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163お父さんのラーメン(前編)


それにしても『うま◯っちゃん』か、聞いたことないけど何味なんだろう?


ネーミング的に九州方面っぽいけど・・・


「はい、うま◯っちゃん2個ね。ラーメンのどんぶりも出しておく?」


「ありがとう。そうやな、どんぶりも温めておきたいし、出しといてくれるか?」


そう言って、お父さんはやかんと鍋にたっぷり水を入れて、コンロに火をつけて、また冷蔵庫やキッチンの引き出しを物色し始めた。


何を探してるんだ??


「お父さん、どんぶりここに置いといていい?それからもぐ、キッチン入ったらあかんって言ってるやろ?ホンマに危ないねんから。」


「ああ、ありがとう。」


ことりはキッチンの邪魔にならないスペースにどんぶりを置くとオレを抱き上げて左腕に乗せるように抱える。


「何探してんの?」


「今年って、おばあちゃんからのお餅って届いてたよな?何処にあるのか知ってる?冷蔵庫にないねんけど。」


「あぁそれやったら、確かお母さんが沢山あるし、カビ生えたらあかんからって、冷凍庫に入れてあったと思うけど・・・」


ガラガラ


お父さんが冷凍庫を開けた。


「ないやん。」


「上の段ちゃうよ。」


ガラガラ


ことりに言われてお父さんが冷凍庫内の引き出しを操作する。


「ほら、下の段に入ってるやろ?」


「分かりにくいわ〜。」


ずっと探してたんだろう。

まだラーメンが完成する前だというのに、お父さんが疲れた声でそう言った。



気を取り直して、冷凍庫からお餅を2つ取り出してオーブンレンジに入れる。


バタン。


「「・・・・・」」


「えぇと、どのボタン押せばいいんだっけ?『あたため』?それとも『スタート』?」


お父さんがことりに尋ねる。


ああ、オーブンレンジがハイテク過ぎて使いこなせないパターンですね。分かります。


「ちゃうよ、まずはセットせなあかんねん。」


「セット?」


「そう、まずは『トースター』にせなあかんから・・・」


「この食パンのボタンでええの?」


お父さん惜しい!

それは食パンを焼く時の短縮ボタンで『トースト』のボタンだ。


「それじゃなくて、ここのボタンを押すことで『オーブン』と『グリル』と『トースター』を切り替えて選択することが出来るねん。確認は真ん中の画面でするねん。」


「なるほどな、で?何分くらい焼くの?」


「それがさっきから分からんねん。いつもの市販のお餅なら4分焼いて、ひっくり返して5分がベストやねんけど、おばあちゃん手作りのお餅は市販のよりも大きいから・・・」


「それやったら最初5分、ひっくり返して5分焼いて様子見で1分ずつ足していくのは?」


「うん、それがええわ♪」



ピィィィーーーーーーーーー!!!



リーヤじゃないよ?

やかんのお湯が沸いたんだよ。


「お湯が沸いたな。どんぶりどんぶり・・・あった。ことり、もうええから座っとき。」


「はぁ〜い。うま◯っちゃん♪うまかっ◯ゃん♪」


お読み頂きありがとうございます♪



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