16空気を読まない者は強かである
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「お義兄ちゃん、ねぇ、抱っこさせて?」
いつの間にか戻った女性が、手を出してオレを要求する。
妹なんだな……
「どうぞ」
「ありがと〜、うわぁフワフワ♪あれ?オスなんや。バンダナ赤いからメスかと思った。なんて名前なん?」
この場の雰囲気をガン無視して話す妹さん……恥ずかしいので、このバンザイポーズなんとかしてもらえませんか?
「もぐもぐ食べるから『もぐ』」
えっ!?そんな理由?
2人の前でごはん?…みのりさんが手を振った時か!!
由来は分かったけど納得しづらい
「そうなんや♪ごはん沢山食べるんはイイコやな♪」
「ことり」
お母さんがターゲットを妹さんに向けたっぽい。やっぱり妹さんが『ことり』なんだ。
「な〜に〜?」
「お母さんの話聞いてたの?」
「責任もって面倒みれるのか?なんちゃらかんちゃらよね?聞いてたけど?」
「だったら…」
「じゃあ、お母さん。うちが反対しなあかん理由は?」
「ことりもきっと一緒に面倒みることに…」
「かまわへんけど?」
「生き物を飼う責任…」
「我が家の2代目ピッチ(セキセイインコ)を洗濯物を干す時にうっかり窓開けて逃したお母さん♪生き物飼う責任がなんだって?」
「……それは、」
「もう買ってきたものを、ごちゃごちゃ言いなさんな。お母さんもお父さんも犬飼ったことあるし、うちも犬好き。お姉ちゃんもお義兄ちゃんも知らん事は覚えたらええやん。ダメな理由ばかりあげてたら誰も動物なんて飼えへんわ。」
いいぞ!いいぞ!ことり!
ガンバレ!ガンバレ!ことり!
「ことりなら賛成してくれると思ってた♪お姉ちゃん嬉しい♪」
…………なるほど。大地がことりありきで賛成した理由が分かったよ。
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