158あべこべな反応
「もぐ、動きなや。」
えっ何語?
『動け』ってこと?それとも『動くな』ってこと?どっちだ!?
ことりはいろんな方言を混ぜて無意識に話すことが多い、激怒したら博多弁と関西弁が混ざるとか。
『動きなや』は一体どこからきたのか。
そんな風に考え事をして、じっと動かずにいたら、ことりが満足そうに頷いて、タコ足ハンガーにミニタオルや靴下を干していく。
どうやら『動きなや』は『動くな』ってことらしい。
これがもし普通のワンちゃんだったらパニックになるんじゃないだろうか?
『動くな』『動きなや』『じっこ』『ウェイト』『止まれ』とか、とにかく『待て』の類似語が多すぎる。
本来なら、しつけは同じ言葉で根気よく続けることが大事なはずなんだけど、とっさに出るのは使いやすい言葉だし、オレの場合は飼い主(みのり&大地)と教育係みたいになっていて、意外と合図が一本化されてない。
しかも、オレが人間の言葉が分かって察してしまうから、いつまでたっても誰も不都合があるように感じてない。
あれ?不都合ないならべつにいいじゃん。
ていうか、そもそもの原因はオレか?
その場で首を傾げていると、洗濯物を干し終えたことりが近づいてきた。
素早く(動物病院で教わった健康チェックの持ち方で)持ち上げられ後ろ足の肉球を軽く押すようにして、足の具合を確認される。
一通り確認すると、オレを抱え直して視線を合わせる。
どうやらお説教タイムだ。
やっぱりお散歩デビュー前にベランダはダメだったか。
ベランダはお外に入るみたいだな。
「もぐ、お家ばかりでお外に出たい気持ちは分からんでもないけど、ベランダに飛び降りるなんて危ないやん!怪我したらどうすんの!?」
・・・えっ?
ことりの肩からリーヤが落下した時は、『リーヤがフリーフォールした。』とか言って、心配してなかったのになんで!?
むしろお父さんが、オレがリーヤを食べるんじゃないかって心配したぐらいで、落下に関しては『飛ぶ練習してるんだから当然』って感じだった。
リーヤが落下した距離は、オレがベランダへ出るのに飛び降りた距離よりもはるかに長い。
どう考えても、オレへの反応とリーヤへの反応があべこべになってるきがする。
それともオレが知らないだけで、チワワってセキセイインコよりもか弱い生き物だったんだろうか。
オレを心配することりを見て、自分の身体が自分が思うよりもひ弱なのでは?と、たまらなく不安になった。
お読み頂きありがとうございます(*≧∀≦*)
リーヤともぐへの反応の違いはことりが慣れてるかどうかの違いだけです。