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154待遇の差


「お父さん、はいこれ、リーヤの分のレタス。」


ことりの声にリビングに戻ったオレは目の前の光景に何度も瞬きをして、現実だと確認した。


ことりは当たり前のように人間の一口大に切ったレタスをお父さんに渡して、リーヤに食べさせようとした。


「リーヤにはまだ早いんちゃうか?食べようとせえへんで。」


リーヤはお腹いっぱいなのかレタスに興味を持たなかった。


「そっかぁ、リーヤの好物はなんやろな。キャベツかな、それともりんご?梨?メロン?バナナ?イチゴ?桃?きゅうり?枝豆?ピーナッツ?ーーー」


次々と出てくる好物候補に目眩がした。

オレはレタスとキャベツをちょっとだけもらえるだけなのに、リーヤは当たり前のように人間の食べ物を与えられる未来に理不尽な怒りがこみ上げる。


キュゥン


普通なら『ガルルル』とか『ワンワンワン!』と鳴く事で怒りを表すところではあるが、甘えた鳴き声で懇願になってしまった。


ヘタレだと笑いたかったら笑えばいい。

ことりに雷を落とされるよりマシだ。



「もぐもレタス欲しいの?」


ことりの問いに答えるように、後ろ足に体重を乗せて立ち上がり、両前足を揃えて高速で上下させる。


ちょうだいちょうだいちょうだいちょうだいちょうだいちょうだいちょうだいちょうだいちょうだいちょうだいちょうだいちょうだいちょうだ〜〜〜い!!!!!!!


「お父さん、昨日ホンマに変なもんあげてないんよね?」


「もちろん、変なものなんかあげるわけない。」


「ホンマは様子見しようって思ってたけど・・・ここまで欲しがってるのを我慢させるとか、かなりのストレスやろなぁ。」


ことりはしばらく悩んでから、「うち、ホンマにもぐには甘いわ〜。」と言ってリーヤのレタスをさらに細かくちぎってオレに食べさせてくれた。


出来ることならことりに国語辞典を贈りたい!



セキセイインコのリーヤが人間の一口大でオレに渡される時は1センチくらいのかけらにされるのはなぜだろう?


オレ、リーヤより大きいよ?

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