150リーヤにメロメロ
「もぐ、見て見て♪リーヤが首かいたよ♪自分でかけるなんてえらいね〜♪」
だ、誰でも出来ると思うんだけど・・・
「ホンマやわ。小さいのにえらいね♪」
お母さんまで!?リーヤに甘すぎじゃないですか!?
オレは自分も出来るよ♪とアピールするために、後ろ足で耳の裏辺りをガッガッガッと勢いよくかいた。
「もぐ、耳の裏痒いの?フケとかはないよね?大丈夫かな??病気じゃないよね?」
心配されてしまった。何故!?
リーヤと同じ事をしただけなのに・・・
「ことり出来たで。こんな感じでいけるやろ。」
「ありがと〜♪」
お父さんがことりに差し出したのは、細くて平な木の棒だった。
長さはお箸くらいで、先っぽが少しへこんでいて簡易のスプーンみたいになっている。
「これでリーヤにごはんをあげれるね♪」
お湯でふやかした粟玉を、お父さんが作ってくれたスプーンで混ぜる。
時折、指先で温度を測るようにして適温になるように調整する。
「ことり、まだなん?」
そう言ってお父さんが急かすと、
「お父さん、熱いままで粟玉をあげちゃうと食道を火傷しちゃうでしょう。しっかり冷やさなダメなんですよ。」
とお母さんが注意した。
お母さんが注意した・・・
オレの時は無関心で、ことりが全部やってくれるんでしょ?的なスタンスでいたのに、リーヤの時は実に積極的である。泣いてもいいですか?
ピィー ピィー ピィー ピィー ピィー
ごはんの気配を感じとったリーヤが首を伸ばしてごはんを探しながら、人間にお腹が空いたとごはんを要求する。
「リーヤお腹空いたん?」
「リーヤは鳴き声も可愛いな。」
「リーヤごはんが欲しいって言えるの?賢いなぁ♪」
お父さんもお母さんもことりもリーヤにメロメロである。
お父さんの手からごはんをもらうリーヤ。
自力で食べれるだけあって、ちょっと差し出されただけでリーヤはごはんをバクバク食べる。
「ちゃんと食べてるな。」
「一生懸命で可愛いな。」
「ん?ごはんで遊び始めたな。もう、いらんのちゃう?」
リーヤのお腹が膨れたところで、リーヤの晩ごはんは終了だ。
鳥かごに戻され、3人から「おやすみ〜。」と言われ、鳥かごがカバーで覆われた。
「じゃ、晩ごはん準備するね。」
3人の晩ごはんのことである。
オレは3人の晩ごはんの後にごはんをもらえる。
順位付けの話が本当なら、
リーヤ>3人>オレってこと!?(泣)
リーヤはペットショップの時間に合わせて早めに寝かそうと努力しました。
もぐを蔑ろにしたわけではありませんが躾はしっかりします(笑)