15みのりの実家
「たっだいま〜♪」
勢いよく玄関の扉を開け声を響かせるみのりさん
「おじゃましま〜す」
大地も続いて入っていく
ちなみにオレは大地のパーカーの中に隠れてる
「えっ?おかえり〜。どうしたん?」
みのりさんそっくりの声が!?
「おかえり〜」
また別の声が聞こえる。みのりさんのお母さんかな?
「実はね〜………ジャーーーン!!!」
「「え!?」」
パーカーから出されたオレを2人の女性が見つめている
「えぇ〜めっちゃかわいいやん!!どないしたん このコ!?抱かせて!!あぁ〜手を洗ってくる!!消毒いるよね!?」
みのりさんそっくりの声の女性が興奮して、
すぐに大地からオレを引き取ろうとしたが、
誰の返事も聞くことなく自己完結して手を洗いに行く
「それで?」
残された女性はみのりさんのお母さんかな?
オレに触るわけでもなく、みのりさんから話を聞くつもりのようだ
「買ってきてん♪今日お店に来たところやってんて、凄いタイミングやろ♪」
「大丈夫なん?2人とも犬飼ったことないでしょう?育てられるの?」
「大丈夫やもん………」
みのりさん!?大丈夫だよね?オレ返品されないよね?
みのりさんが捨て犬を拾ってきた子供のように縮こまってる
大地はみのりさんのお母さんと事を構えるつもりはないようだ
傍観者に徹するつもりだろう…無言だ………
気持ちはわかる!気持ちはわかるけど、ここは助けてくれ!!(泣)
「かわいいだけちゃうねんで?躾も大事やねんで?このコが人様に迷惑をかけたら責任とるねんで?もういらないって投げ出す事は出来へんねんで?犬の寿命知ってんの?生き物飼うって、そのコの一生を引き受けるねんで?ちゃんと最後まで逃げ出さずに面倒みれるんやろうな?」
「………わかってるもん」
お母さんの迫力に押されて、弱々しく反論するみのりさん
「聞こえません」
…………もしかしなくても、オレ、ピンチ(涙)
お読みいただきありがとうございます(≧∇≦)