140お散歩は昼じゃなかったの?
クゥルルッポー クゥルルッポー クゥルルッポー クゥルルッポー
ん、朝か・・・ふあぁぁぁ。
鳩がうるさくて目を覚ましたオレは大きなあくびをしながら伸びをする?
今何時くらいなんだろう?
外も少し明るくなってきてるし、いつもよりは遅いかな?
3回ワクチン注射したとはいえ、しばらくは様子見らしいし、今日お散歩デビューとかはなさそうだよな。
ことりも朝弱いし・・・よし!2度寝するか!
オレはことりの布団に潜りこみ、再び夢の中へ旅立とうとした。
リィーンゴーンガァーンゴォーン リィーンゴーンガァーンゴォーン リィーンゴーンガァーンゴォーン
今度はなんだ!?
部屋中に響く教会の鐘のような音に驚き、背筋と耳がピンと警戒したように立つ。
「ゔぅ、うるさい〜。」
ことりは布団を頭までかぶり直しながらも、手だけ布団から出して音を止めようと探すようにバンバン畳を叩く。
ことり、微妙に起きないと取れない距離に自分でスマホを置いたんだから、そのままで届くわけないじゃんか。
スマホのアラームのスヌーズ機能のしつこさに負けたことりが布団から出て、騒音を止める。
睨みつけるようにスマホを見ることりの気持ちが手に取るように分かった。
自分でスヌーズ設定したのは分かってるんだけど、イラッとするんだよな。
ことりはオレを見ると、笑顔に戻って朝の挨拶をしてくる。
「おはよう、もぐ♡お散歩行こっか?」
えっ?寒い日の散歩は日中じゃなかったのか??
不思議に思うオレをよそに、さっさと出かける準備を整えたことりは、カバンの中にオレを入れると外に出た。
いつもの河川敷に行くとすっかり明るくなっていた。
河川敷に来てもみのりを迎えに来たわけじゃないので、適当にぶらぶらしながら帰ってきた。
家に帰ると手洗いうがいオレの足拭きを済ませ、朝食をとる、ことり達が。
缶詰めを用意し忘れた罪悪感なのか、レタスだったからか、それともその両方か、理由は分からないが少し大きめにちぎられたレタスをお父さんがオレにくれても、ことりは怒らなかった。
「いってきます!」
「お母さんもいってきます!」
「いってらっしゃ〜い♪」
競うように出かけて行くお父さんとお母さん・・・罰ゲームでもあるのか?
2人を見送ったことりは、オレをクッションの上に降ろすと物置きを、物色する。
しばらくすると、物置きの扉は閉まったが特に取り出したものはなさそうだった。
欲しいのがなかったのかな?
ことりは自分の部屋に戻ってしばらく出て来なかった。
今日も安定の出禁のことりの部屋の扉はきっちり閉じられている。
何してるんだろう?
ガチャ
やっと出てきたことりはどう見ても外出着だった。
オレのお皿にドッグフードを出して「お腹が空いたら食べるんよ。」と言う。
最近オレは1日2食に向けてお昼の量を減らしつつある。ってそうじゃなくて!
ことり、ちょっと待って!オレを置いて出かけるの。