136厄日
新しいおもちゃを買ってもらってご満悦のオレは、ことりに抱っこされてお店を出た。
「もぐ、めっちゃいい感じかもしれん!」
なにが!?
ことりは小走りで駆けていく。
あ!
「なんとか間に合ったな。」
バス停か〜!
「もぐ、もうすぐバスが来るから、カバンの中入って。」
『入って』と言う割には入れられたのはどうゆうこと?
急いでるから?そうですか。
それから2分くらい待ったかな?
ようやくバスが到着した。
バスに乗るとことりは後ろの方の窓側の席を陣取った。
ちなみにオレはことりの膝の上に乗せられているが、外の景色は楽しめそうにない。
バスが走り出すとことりは外の景色を眺めるというよりは観察していた。
しばらく走ったところで降車ボタンを押した。
「ありがとうこざいました〜。」
「は〜い、足もと気をつけて♪」
バスを降りて思ったこと。
ここはどこ?
えっ?ことりバス1本で帰れるんじゃなかったの?
ことりはカバンからオレを出して、抱っこしなおす、
「もぐ、お疲れ様♪道、把握したから、次から自転車で行けるで♪」
バス使わないの!?
てくてくと歩いて行くと、河川敷に行く時の道路に出た。
なんだ、こうなっていたのか。
あとは見知った道を歩き家まで帰った。
「ただい、あっ!うち、自分のお昼ごはん買うの忘れてた!!」
ことり、今日は厄日なんじゃない?
ことり〜 連れてけ〜 置いて行くな〜
キュゥ〜ン キュゥ〜ン キュゥ〜ン
「もぐ、お留守番してて。すぐに帰ってくるから。ね?」
玄関でしゃがんだことりの膝に両前足を乗っけて、連れてけアピール中!
お留守番?やなこった!!
キュゥ〜ン キュゥ〜ン!!
「〜〜〜〜〜!」
勝ちました♪
再びカバンに入ってお出かけ♪
河川敷でもDVDショップでもない方向で、また新しい道だ。
長い上り坂を上がっていくと、ソースのたまらない香りが鼻腔を刺激する。
やばい、匂いを嗅いだだけでお腹空く。
お店はテイクアウト形式で販売してるたこ焼き屋さんだった。
お客さんが3人並んでおり、ことりが4人目に並んだ。
まだかな♪まだかな♪
1人目、2人目と帰って行きとうとう順番がまわってきた♪
「いらっしゃ「お兄さん、ソース、マヨネーズ、七味の8個入りください!」
「あーごめんねー。今焼けてる分全部売れちゃったから10分くらい待ってもらうことになるやけど・・・」
「・・・待チマス。」
ことり、本当に今日は厄日なんじゃ・・・
「ごめんねー。ありがとー。」
熱々の鉄板にじゅわじゅわと音を立てて流されていく生地、大きなタコがお兄さんの手で素早く投入されると外がカリカリに焼けるまで待ち、くるっと一回転する。外がカリカリに丸く焼けたら、ソース、マヨネーズ、七味、かつお節をかけたら出来上がり♡
「お姉ちゃんお待ちどー。400円ねー。」
「ありがとうこざいます♪」
お会計をして、たこ焼きを持って早足で帰る。
熱々の内に食べたいからね〜♪
家に帰って、うがい手洗い、オレの足ふきが終わるとことりはたこ焼きを食べ始めた。
「うぅ〜外カリカリ、中トロトロで熱くて美味し〜♪」
オレはことりの横じゃなく膝の上にスタンバイしておこぼれをねだる。
えっ?生地はネギが入っているからワンちゃんは食べれない?
じゃあ、中のタコだけをくれてもいいんですよ?
早くタコをくださいな!!
「美味しかった!ごちそうさまでした!」
ことりはやっぱりケチだな(泣)
「もぐ、待て出来てえらかったね。もぐもごはんにしよっか♪」
そう言ってカバンをガサゴソとあさることり。
も、もしかして、缶詰め買ってくれたとか!?
期待してことりを見ると、ことりもオレを見た。
「あー、もぐごめん。バスの時間に焦ってたら缶詰め買うの忘れちゃった。」
今日はオレにとっても厄日だったようです。
お読み頂きありがとうございます(*^▽^*)