122せめてもの抵抗
ことりは作業をきっぱり止めると、オレが部屋に入れないようにバリケードを元に戻して扉を閉めた。
「お母さん、晩ごはん何?手伝おうか〜?」
「おでんにしたわ。じゃあお母さん洗濯物片付けるから、よろしく〜♪」
お母さんはことりが手伝いを申し出た途端にキッチンを明け渡した。
ちなみにまだ何も作り始めてなかった。
手伝いの基準って一体なんだろう?
ことりはオレを連れてお父さんの部屋に行く。
「お父さんおかえり〜、もぐの相手してくれる〜?」
お父さんは快く了承してくれた♪
すいませんなぁ♪マッサージしてくれたらおとなしくしてますんで♪
3人の晩ごはん終了後、オレのごはんタイムだ!
ことりが準備して、いつも通り『おすわり』と『待て』をする。
もう補助なしだ♪あとはどれだけキープ出来るかだろう。
ランチョンマットにお皿が置かれ、中をのぞくとフヤが少し減りドライフードが増えた普通の分量のドッグフードが入っていた。
ちなみに今日も缶詰めはなかった。ぐすん。
うん?分量減ってないけど食後の『おすわり』と『待て』の練習はいいの?
思わずことりを見る。
「あれ?『よし!』じゃなかったっけ?『いいよ♪』もぐ食べな♪」
あっ食べていいっぽい。
オレがごはんを食べ始めると、ローアングルでスマホを構えることり。
イラッ。分量減らさなかったのはこのためか!
オレは『嫌だ!』とアピールするために、スマホにお尻を向けて食べる事で顔を隠す。
これで撮れないだろう、顔が写りそうになるたびにお尻を向けてやる!カシャカシャうるさいんだよ、ザマァーみろ!
カシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャ
は?
「よし!バッチリ撮れた♪」
意味が分からず顔を上げると目の前にスマホがあった。
後ろにあるんじゃなかったのか!?
一体いつの間に!?
オレは改めてことりを見ると、ことりは両手にスマホを1台ずつ持っていた。
そこまでして撮りたいか!?
ことりはおそらく写真を撮った方のスマホをカチカチと操作すると、お母さんにスマホを渡した。
「お母さん、ありがと〜♪」
「もうええの?」
「うん、可愛く撮れたわ♪」
どうやら2台目のスマホはお母さんのらしい。
「目見開いて一生懸命食べてるな〜。おもろい顔。」
最後の一言は必要でしたか?お母さん(泣)
お読み頂きありがとうございます(*^▽^*)