120うさぴょんを治そう♪
遅くなりましたすみません(>人<;)
オレの前で、これなんて言ったけ?リッパー?ニッパー?とりあえず棒の先が2つに別れた器具でうさぴょんの顔の部分のぬい目をほどきながら糸を切っていく。
じっとことりの手元を見ていると、視線に気づいたことりがオレに向かってにっこりと微笑んで「大丈夫やで♪」と言う。
必要ないところは遠慮なく切り、そのまま残すところは端っこで糸を結んで止めていく。
あんなに短くてよく結べるな。
その手際に感心していると、後頭部はそのままに前頭部が解体されていき口まわり、右部分、左部分、中央部分とパーツを分けられた。
右部分と左部分を合わせて持ち、長さを比べる。
「思ったよりも布も薄くなってないし、多少は伸びてるけど大丈夫そうやな。念のため接着芯貼って補強しとこうかな。ちょうどいいやつあったかな?」
そういって引き出しから両手で持つくらいの大きめの箱を取り出した。
フタを開けると布がギッシリと詰め込まれるように入っていた。
「どれがいいかな?」
真剣に考えて何枚かピックアップすることり。
えっ?これ全部『接着芯』っていう布なの!?
どうやら『接着芯』には色や布の柔らかさなど様々な違いがあるらしく、ことりはピックアップした『接着芯』を何度も比べて最終的に、「この柔らかい白いやつにしようかな♪」と1枚に決めたようだ。
伸びてない横顔のパーツの方に薄い紙を乗せて鉛筆でサッサと型どりをし、伸びたパーツを同じ大きさに切った『接着芯』と重ねてアイロン台に乗せると、十分に温められたアイロンで押さえつけた。
アイロンを退けると『接着芯』はピッタリとパーツに貼り付けていた。
型どりした紙を『接着芯』を貼った方のパーツに裏返して置き、マチ針で2カ所ほど止めるとチャコペンで型どりした紙の端をなぞる。
裏返し?あ!そのまま置くと左右対象にならないのか!
「パーツはこれでええやろ。次は糸やな♪」
そう言ってことりは『接着芯』が入った箱を元の場所に戻すと、別の引き出しから糸がぎっしり入ったタッパーを3個出した。
糸、多いな!
ことりは3個の箱から適当に1個ずつ取り出して、うさぴょんを解体した時に出た糸と比べる。
何を比べているんだろう?
何度か見比べて「太さはこれくらいかな。」と言って真ん中のタッパーに入ってた糸を選んで、出した糸をそれぞれの箱に戻す。
タッパーは糸の太さ別に別れてんのか!
ことりは真ん中のタッパーの中からいくつか糸をピックアップして、今度はうさぴょんの布を手に取り、ピックアップした糸と合わせてみる。
一周回ったところで首を傾げて、何個か外して再び比べてまた首を傾げる。
今度は糸の太さが違うタッパーの中からいくつかピックアップして、うさぴょんの布と比べていく。
何度か比べたところでことりはうさぴょんの布と糸きれを目の前にかざし眉を寄せた。
それから困ったような怒ったようなよくわからない顔でオレに謝罪した。
「ごめんねもぐ、うちやっぱり納得できひんわ!」
はい?
いつもお読み頂きありがとうございます(>人<;)