114帰宅
チクタク チクタク チクタク チクタク
「もぐ、もうすぐお姉ちゃんとお兄ちゃん帰ってくるからね〜♪頑張ってお利口さんで待ってようね〜♪」
ガチャ
「ただいま〜♪」
「おじゃましまーす。」
みのりと大地の声が聞こえて、玄関へと走りだしたオレの背後から追いかけるような声が聞こえてくる。
「おかえり〜♪」
「「いらっしゃい。」」
出迎えたオレをすぐさま抱っこして、
「お利口さんにしてましたか〜?してたの〜?えらいね〜♪」
と自己完結してオレを撫でまくるみのりと、
「ことちゃん、もぐの面倒みてくれてありがとう。お義父さん、お義母さんもお世話になりました。」
と丁寧に挨拶をする大地。すると
「全然ええよ♪もぐ可愛いし♪」
「気にせんでええよ。癒されたし!それよりも楽しめたかい?」
「大地くんも運転お疲れ様やね。」
と各々返事を返す。
ちなみに上から欲望に正直な返事がことりで、気づかいプラス本音が垣間見れる返事がお父さんで、純粋に長距離の車の運転に疲れているだろうと大地を気づかっているのがお母さんである。
ちなみにみのりは車の免許を取ることを、(周囲が)危ないからやめておけと両親、ことり、大地に止められ取得していない。
「早かったね〜。高速空いてたの?」
「うん。おかげさまで早よ眠れそうや。」
「じゃあ、帰りも気をつけて♪」
こうして3人に見送られオレたちは、予想よりも早く家に帰ることが出来た。
しかし予想よりも早く帰ってこれたとは言ってもそれなりの時間になっており、みのりはいつもだったら寝てる時間になっていた。
みのりはオレの特訓の成果を楽しみにしていたが、やはり習慣づいた生活サイクルに負けて眠ることにしたようだ。
一方、大地も運転、スノボ、運転と一日中集中力が必要だったからか、とても疲れておりオレにかまう余裕はなく眠ってしまった。
サークルに入れられポツーンと放置されたように感じたオレは、吠えて起こしてやろうかと思ったが、我慢してふて寝することにした。
ひとり寝が寂しく感じる夜だった。
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