106『おすわり』と『待て』
お皿の中に期待していた缶詰めのおかずはなく、普段の半分ほどしか入っていなかった!
普段ならドッグフードをフヤとドライの半々で食べていたが、フヤに7粒のドライフードがお情け程度に乗せられていた!
トッピングか!?ドライフードはトッピングなのか!?
これはネグレクト・・・は犬に適用されるのだろうか?・・・じゃなかった!
これは虐待だ!飼育放棄だ!
オレは怒っていいはずだ!
キッ!!
オレはことりを睨みつけた!
「もぐ、待て出来るやん♪えらいねぇ♪食べていいよ♪」
オレはことりに褒められ頭を撫でられた!
悲しいかな、睨みつけても大きなウルウル瞳で見つめただけだった。
・・・うん?ことりニコニコ笑ってる?
いやいや!騙されるな!これは虐待だ!飼育放棄だ!オレは怒っていいはずだ!!
それにしてもことりに怒っていることをどうしたら伝えることが出来るんだ??
噛みつく?
いや、それはダメだろう。初案が最終手段っぽい!
うーむぅぅぅ。
あっ!
ヴヴヴゥ「もぐ!誰に向かってうなっとんねん!!」
オレのしっぽはしゅるんと隠れた!
ガクブル ガクブル ガクブル
「もーぐー?」
オレ、ウナッテマセンヨ。
「もぐ食べへんなぁ。なんでやろ?『いいよ』『いいよ』いいんだよ?」
ことりに全然悪意が感じられない。めちゃくちゃ食べさせようとしてるし、意味があることなのか??ダイエット?この成長期に??
「もぐ『いいよ』・・・あかんなぁ。あ!『よし!』」
考え込んでいたオレだがことりの『よし!』の合図に条件反射してしまい、動いてしまう。
うん、とりあえず食おう!腹減った!
「やっぱり!お姉ちゃん達『よし!』で教えてたんか!すぐに気づかんくってごめんなもぐ。」
ガッガッガッ もぐもぐもぐ ペロペロペロ
ごちそうさまでした!うん、足りん!
「もぐ、キレイに食べてえらいな♪じゃあ、『おすわり』と『待て』の練習しよっか♪」
うわぁ、そういうことね。
その後オレは晩ごはん用の半分と寝る前用の半分、実質1食分のドッグフードを使って延々と『おすわり』と『待て』の練習をさせられた。
やっぱりことりはスパルタだと思います。うぷ
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