105ことりのスパルタ
お父さんが帰ってきて、みんながご飯を食べて(オレは懲りずにお父さん横でスタンバイしたよ!食べれなかったけどな!)とうとうオレの晩ごはんの時間だ♪
ことりの作ったごはんは、オレがことりん家に行く一番の楽しみと言ってもいい♪
レタスやキャベツが少しだけもらえる様になったとはいえ、基本はドッグフードのみ。ごはんもドッグフードなら、おやつもドッグフードという現状は、いろんな味を知っているだけに正直辛いものがある。
えっ?前に4食同じごはんが続いても全然平気♪とか言ってなかった?だって?
言ったよ。言いましたよ!
でもね?4食と半永久は違うと思いますッ!
だから早く、早く缶詰めごはんをくださいな♪
ことりがオレのお皿を持ってランチョンマットの側までやって来た♪
オレは待ちきれずに小さくぴょんぴょん跳ねながら早く早くと急かす様に鳴く。
キュゥン!キュゥン!
「もぐ、お待たせ♪まずは『おすわり』やで。」
そう言ってオレのお尻を軽く押して座らせると、ことりはお皿をランチョンマットに置かずに、オレの目線の少し上に持っていく。
そうされると自然と背筋が伸び見上げる事で『おすわり』の形になった。
うん!覚えた!『おすわり』覚えたから早く!早くごはんをくださいッ!!
ことりがそっとオレから手を放し、「もぐ、待てよ〜。」と言いながらゆっくりお皿を下ろす・・・
ごはんが見えた瞬間、思わずお尻を上げたのをことりに見咎められて、瞬時にお皿が上空へと戻って行く。
あああっ!ごはんがぁぁぁ!!
「もぐ、もう一回!『おすわり』からな!」
ことり!幼犬にこんなスパルタはあんまりじゃないでしょうかッ!?
キュゥ〜ン。
上目遣いで鳴いてみたが、ことりは「もぐ『おすわり』」と言って、再びお尻を軽く押された。
くそぅ、上目遣いのコンボが効かないなんて!!
そしてゆっくりお皿が下降してくる。
近づいてくるお皿に鼻が自然と近づいた。
クンクンクン クンクンクン
あれ?何かおかしい?
「待てよ〜。」
と言われながら置かれたお皿の中を見て、オレはフリーズした。
なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああ!!!!!
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