29『終日ゴロゴロ』
真夏ダイアリー・29
『終日ゴロゴロ』
千通の年賀状は問題だ。
一瞬嬉しかったことは確かだけれど、直ぐに問題に気が付いた。それだけ、わたしの住所、個人情報が漏れているということだ。
「入りきらない分が、これね」
千通の年賀状の上に、何通かの年賀状がポンと置かれた。
で、この何通かが本物で、段ボールの中味は古新聞だった……やられた、悪ノリのお母さんに。
「どう、目が覚めたでしょ」
「冗談きついよ、お母さん」
お雑煮と、簡単なおせちをいただきながら、年賀状を見る……簡単なものから手の込んだのまで、いろいろだけれど、パソコンとプリンターで作ったものばかり。その中に、ただ一通手書きのがあった。
あけまして、おめでとうございます。仲間になれてうれしかったです!
エヴァンゲリオン事件で、お仲間になった春野うららからだ。
年末のゴタゴタで、クリスマスパーティー以来だったけど、仲間が増えたことは嬉しい。うららが省吾とうまくいけばいいと思った。省吾のお父さんに事実を教えられて以来、省吾は友だちとか、それ以上の関係とかじゃなくて同志、バディーという言葉が相応しい関係になるんだろうなあ……という予感がしていた。
――初詣いこうよ~(^O^)~
省吾にメールを打った。
――今、行って帰ってきたとこ。真夏忙しいんじゃね?
つれない返事が、すぐに返ってきた。
――四日まで、オフだからあ。
これへの返事は、すぐには返ってこなかった。で、年賀状の返事を三通ほど書いて、もう一度メール。
――まあだ?
――ちょっとタンマ。
と、返ってきた。で、近くのポストまで出しにいった。
「紅白たいへんだったみたいね」
ポストに年賀状を入れた直後に声をかけられた。しまった、変装用のメガネを忘れた。
「いや、どーも」
と、振り返ると、わたしが急にアイドルになった、そもそもの原因の、美容師の大谷さんが立っていた。
「You Tubeで見たよ。クララちゃん大丈夫だった?」
「あ、はい。ただのお腹痛でしたから」
「そうか、わたし、応援してるからね」
それ以上カラまれてはかなわないので、家に帰る。
――4日、昼からオレの家で。
省吾から、メールが返ってきていた。簡単な内容だったけど、その間に、いろいろ調整してくれたんだろうなあ、と感謝。
で、新年二日目の今日は、梅と葉ボタンにお水をやって、終日ゴロゴロ……。




