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真夏ダイアリー  作者: 大橋むつお
13/72

13『平和という欺瞞』

今日は覚悟して学校に行った。

真夏ダイアリー・13

『平和という欺瞞』    



 今日は覚悟して学校に行った。


 衆議院選挙で自民党が大勝利!……でも、高校生には関係ない。学校に行ったら、きっと質問されたり、写メ撮りまくられたり、キャーキャー言われてイジラレまくりだろう。


 なんたって、売り出し中のアイドル小野寺潤とそっくりで、おまけに父親がいっしょだって分かったんだから。


 乃木坂を下って校門が見えたころ、カメラを持った三人組のオニイサンとオネエサンに通せんぼをされた。


「真夏さんよね。どうですか、AKRの潤ちゃんと姉妹だって……」


 オネエサンがそう聞きかけたころ、道の向こう側の車からAKRの吉岡さんが、飛び出してきた。


「困るなあ、昨日言ったでしょう。今度のことは、全てHIKARIプロで対応させていただきますって!」


「それは、そちらのお願いで、報道の自由はあくまでわたしたちにあるの!」


 オネエサンは譲らない。


「しかしなあ!」


「吉岡さん、ありがとう。でも、わたしから手短に答えておきます」


 そう言うと、立て続けに写真が撮られ、マイクが向けられた。


「急なことで、自分でも整理がついてません。だから話のしようがありません。ただ、このことで潤ちゃんと仲良くなれたってことは、とても嬉しいことです」


「それは、姉妹として? アイドルだから? あ?」


 キャ!


 パシッ!!


 わたしは、右手を上げてオネエサンを張り倒した……ように見えた。


 事実オネエサンは悲鳴をあげた。


 わたしは寸前で左手を出して、オネエサンの顔の真横で右手と、パーンと打ち合わせた。


「!?」と、オネエサンたち。


「今の、左手が鳴った? 右手が鳴った?……分からないでしょ。これが答え。通学のジャマ、これくらいにして」


 周りの生徒や、校門で立ち番をしていた先生達があっけにとられていた。


「おまえ、リポーターのネエチャン張り倒したんだって!?」


 案の定、学校の中では話が大きくなっていた。


「張り倒していたら、いまごろ警察がきてるわよ。それより大杉クン、『ワンピ-ス・Z』見にいった?」


 大杉が大の『ワンピース』ファンであることを見越して、質問してやった。


「ああ、観たさ。大感激しちゃったぜ!」


「ふーん、省吾は、どうなのさ?」


 省吾に振った。昨日のメールで、省吾も観にいったことが分かっていたから。


「オレの感想は、この人といっしょ」


 省吾は、スマホの画面を見せた。


 タキさんの押しつけ映画評


 ハッキリ言わして貰って不満です。「ストロング・ワールド」を基準にすると、満足度60%って所ですかねぇ。脚本の鈴木おさむが原作との連動にこだわり過ぎたのが主因か?

 とはいえ、これは趣味の違いとも考えられるのだが、今回の敵役が ガープ・センゴク・おつるさんなんかと同期の元海軍大将で、青雉・黄猿・赤犬の師匠に当たるので、マリンフォード頂上戦争後の三大将の勢力争いに関わらすにはいられない。これは、どちらかといえば原作・テレビで扱うべき題材ではないかと思う。映画の結末(なんぼなんでもこれはバラせない)からすると、後々の原作ストーリーに影響がでる。

 もっとフリーな設定にしておいたほうが良かったと思うのだが、ワンピフリークの皆さんはどう思われただろうか。作画・動画に破綻はない、サイド設定も面白いのだが、メイン設定のかつてゼファーと呼ばれた英雄と海軍との関わりがあまりにもハイスピードで語られる。かつての「海賊王白ひげ」と比肩されうるキャラクターなだけに、う~~ん、もったいないんじゃないですかねぇ。 だから、ルフィー以下麦わらの一味の存在感もいまいち薄く感じられる。

 だからだから(?)感動が薄い……俺が贅沢言ってるのかなぁ、とにかく「嗚呼!勿体ない」ってのが正直な感想でありまんにゃわ。

 周り殆ど中坊で 若干ざわついていたのにイラついていたし、予定していた時間に見られなかったり……今日はイライラしっぱなし、しかも雨は降ってる 車は来ない……時間を置いたら別な感慨が生まれる…?


 わたしは知らなかったけど、このタキさんという人は、映画好きの人には、ちょっとアナーキーだけど、切れ味のある映画評で有名な大阪の映画評論家らしい。


 大杉と省吾の論戦になったとこで、自分の席に着いた。


「あのさ……」


 穂波だったので油断していた。


「真夏のことモデルにしてマンガ描いちゃだめ……?」


「え……好きにして!」


穂波だったので油断していた。

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