Language of a Flower epilogue
Language of a Flower epilogue
大国アイサルの軍勢が攻め入った。
兵を集め、城を死守することは可能だろう。
どんなに敵が大群だろうと、アイサルのひとりひとりは強く無いのだ。
何人もの犠牲を払うが、カンタナグザという国は維持できる。
長い歴史の中で、今までもこういうやり方だった。
「アスター様!なぜ兵を集めないのですか!このままでは城が落ちます!」
「王よ、城門が破られました!早く兵を集めましょう!」
国というものは集合体だ。
それを構成するひとつひとつの要素には、それぞれの生活がある。
それぞれの・・・守るのもの、がある。
私にとっての、メイリスやシンのように。
「主命だ。・・・城を捨てろ。国に固執するな。各人の家族を守れ。」
メイリス。すまない。
私は、子を守ることはできない。
私が導けば、その先に待ち受けるのは連綿と続くカンタナグザの冷酷な歴史だ。
お前が愛した子を、その歴史から逃がそう。
この国を捨てることで、愛おしき子に新たなる道が開かれんことを。
メイリスの語りし湖の精霊よ、会ったことも無いが、私からも願おう。
私の代わりに、メイリスの代わりに、かの希望を守り給え。
読んでくださり、本当にありがとうございました!




