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切り裂く爪、突き立てる牙

前回の加筆修正です

 タースの南門から外に出る。

 草原を風が駆け抜ける。


「街の外はモンスターが出るだろうから。気をつけないと」


【索敵】


 周囲の気配を探る。

 敵性反応が少し遠くにある。

 小型?

 角ウサギかな。


「とりあえずは狩ってみるか」


曲剣を取り出す。


「【決して砕けぬ我が爪牙、アンブレイク】」


 剣がわずかに光が纏う。

 大地を思い切り蹴り出し駆け出す。


【鷹の目】


 モソモソと草を食べている角の生えたウサギがいた。

 ビクっと頭を上げて、耳を立てて周囲を窺い始めた。

 少し遅いな。

 駆け抜ける勢いのまま剣を振りかぶる。

 こちらに気づき駆け出そうとしたウサギを。


「【スラッシュ】」


 剣がわずかに光の尾を引いて切り裂いた。

 ウサギは光の粒子に変わって自分の体に取り込まれた。

 そして小さな角が草の上に落ちた。


「【鑑定】」


〈ラビットホーン:ウサギの角〉


「中身の無い情報だな。まあ、狩った感じは問題ない感じ。嫌悪感もないし、【忍び足】も発動してるみたいだ」


【索敵】


 街から近いからか、整備された道からあまり離れていないからか周囲の気配が薄い。


「角ウサギは他の生き物の気配が薄い所で生きているんだろう」


 ひとまず道に戻って南に進んでいこう。


「あ、食べ物を買うの忘れた」


 南に向かう足を街に向け直して戻った。


「さて、買い忘れはないな」


 冒険者カードのアイテム欄を確認しながら呟く。

 今度こそ南に足を向け歩き始めた。

 間隔をあけて【索敵】を使い歩いていく。

 角ウサギのような小さな反応を感じながらしばらく歩くと、小さな人型反応が6つ感じた。

 前方の道の上に3つ脇の草むらに3つ。

 曲剣を握り直す。

 緑色の肌の子鬼が見えてきた。


「【鑑定】」


〈草ゴブリン:草を主に食べて成長したゴブリン〉


 ゴブリンか。

 大きな特徴は2つ。

 一つ目は、適応能力。

 人では普通に過ごせないような極寒や灼熱でも対応して生きていく。

 なによりも悪食と表せるような口に入る物は何でも食べられるその雑食性が一番の特徴といえるだろう。

 二つ目は、繁殖能力。

 産まれるまでたった7日、そして母体を選ばない。

 産まれてすぐ行動でき、圧倒的スピードで群れを形成していく。

 前と後ろ併せて六匹のゴブリン。

 ゴブリンの群れとしてはかなり小さい。

 はぐれたばかりの群れかな。

 さて、前を片づけて後ろかな。

 危険を感じ右に回避し距離を取る。

 左腕に鋭い痛み。

 振り向くとナイフを突き出した七匹目のゴブリンが居た。


「【鑑定】」


〈草ゴブリンシーフ:草を主に食べ成長したゴブリン。盗賊の特徴を持つ個体〉


 なるほど盗賊の技能。

 【索敵】を【気配遮断】で逃れたか。

 ゴブリンは僕の血が付いたナイフをぺろりと舐め、ニヤリと笑った。

 そして、ビクっと体を震わせ地面に倒れ込んだ。

 周りのゴブリンは慌てて奇声を上げ始めた。

 その大きな隙を見逃さず、曲剣を振るって一匹ずつ確実に狩っていく。

 二匹狩った時点で残りの四匹は逃げっていった。

 あとは地面で時々、ビクっと痙攣しているゴブリンシーフだけだ。

 ゴブリンの大きな特徴を忘れていた。


「どうしようもない程の馬鹿だったなあ」


 麻痺系の毒を塗ったであろうナイフの刃を舐めたゴブリンを眺めながら呟いた。


「【頸刎(クビハネ)】」


 曲剣でゴブリンの首を斬った。

 光の粒子へと変わっていき刃こぼれしたナイフだけが残った。

 左腕のケガに右手をかざす。


「【エイド】」


 右手からわずかに若草色の光が出て、傷を癒した。

 ナイフを拾い、カードに仕舞う。


「他の二匹は何も無しか」

「【索敵】」


 周囲に反応無し。

 【索敵】も過信しないほうがいいな。

 辺りを見渡し歩みを再開する。

 その後は数は多くなかったがウサギやゴブリンを狩りながら進んでいると。

 青々と茂っていた草が徐々に茶色に風も乾いたように変わっていった。

 少しずつ沈む太陽に照らされた赤い岩山が見えてきた。

 新たなフィールド、赤銅の荒野だ。

修正点

・ユニット削除

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