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ヌマガエルのイボ

前回の加筆修正です

 コテツさんから工房の使用許可をもらった時、ボクのお腹から大きな音が鳴った。


「ガハハハ、メシにするか!」


 そう言い、工房から出ようとする。


「ちょっと待て、その格好はマズいな。[清めよ、クリーン]」


 彼がそう唱えると薄い水色の光が広がり、ボクを通り過ぎると汗でベタベタした体がスッキリとした。

 そうして、彼を先頭に隣の部屋に移った。

 この部屋は工房とは違い、キレイに片づいている。


「驚いたか?工房以外はアンナが来て掃除をしてくれているんだ。テーブルの上にあるバケットの中にはメシが入っている」

「へえ、どんな関係なんですか?」

「ハン!ただの昔からの知り合いだよ。アイツには迷惑をかけた。メシだ、メシ!」


 バケットの上に掛けられた白い布をよけると、ハムやレタスのような野菜を挟んだサンドイッチが4つ入っていた。


「2つずつで分けるぞ」

「えっと、良いんですか?」

「フン、いつもは2つだけなのに4つあるということは分けろということだろう」

「ありがとうございます。いただきます」


 手を合わせて、少し頭を下げる。


「いただきます」


 ボクはそう言い、サンドイッチを食べた。

 やわらかいパンと野菜のシャキシャキという食感。

 ハムの塩味とパンの優しい甘さのコントラストがとても美味しく、気づけば2つあったサンドイッチは無くなっていた。


「さて、飯も食った。これからリキオはどうするんだ?」

「旅に出たいので、その準備をしようかと思っています」

「フム、そうか。オレは鈍った体を元に戻すようにするか」

「あの、ボクの造った武器なんですけど」

「持ってけ。オレの目を覚まさせた礼だ」

「ありがとうございます」


 深く頭を下げる。


「そうだ、旅に出るなら薬も必要だろ?」

「はい」

「店主は変わっているが良い薬を作ってるトコロを知っている。行くか?」

「教えてください」

「ココを出て、右の路地に入って少し行くとカエルの石像が軒先に置いてある家がある。そこがソイツの店だ」

「ありがとうございます」


 再び頭を下げた。


「いつまでもココで時間をつぶしても仕方ねえだろ。工房から武器持ってさっと行け」

「はい!ありがとうございました!」


 工房からボクの作った武器をカードにしまい、話にあった店を目指した。

 コテツさんの家を出て、すぐ右にある少し狭い路地を歩くと石のカエルが現れた。


「ここかな?」


 カエルの石像の脇の木製のドアを開ける。

 カランカランと鐘の音が鳴った。

 ムワっとした空気と薬の独特の匂いを感じた。


「ヒッヒ、珍しいねえ。客かい?」


 独特のしわがれた声と甲高い笑いが部屋に響く。

 奥の木製のカウンターにワシ鼻のおばあさんが座っている。

 黒く先の少し曲がっている幅広の三角帽に同じく黒いローブを纏い、まるで物語に出てくる魔女のようだ。


「ココはヌマガエルのイボ、毒も呪いも金次第で受けるよ。ヒッヒ!」

「あの、ボクは旅に役立つ薬が欲しいのですが」

「なんだい、つまらないねえ。もう少し近くにおいで、取って食いはしないよ」


 手招きをされたので近づく。


「おやアンタ良い顔だねえ。アタシの好きなイボガエルみたいだよ。ヒッヒ!」


 彼女はそう言うと獰猛な笑顔を浮かべている。


「えっと一応、ボクも調薬が出来るのですが。お金はお支払いしますので、自分用に薬を作らせてもらえませんか?」

「ヒッヒ、なるほどねえ。アンタは好みの顔だから使ってくれて構わないよ。それにいい加減、ギルドからくる素材もアタシだけだと溜まっていくからねえ」

「え!良いんですか?」

「ヒッヒ、構わないよ。ついてきな」


 彼女は立ち上がり、カウンターのさらに奥のドアを開けて進んでいった。

 あっさり話が進んでいくので、おいて行かれ少し焦ったが慌ててあとについていった。

 ドアの向こうはさらにムワっとした空気で薬の匂いはかなりきつくなった。

 木製の机に様々な陶器や乾燥した草、壁には何かの獣の皮がぶら下がっており、何より部屋の真ん中に鎮座する大きな釜の存在が嫌でも目に入った。


「ヒッヒ、ここを好きに使いな。イボガエル」

「あ、ありがとうございます」


 今、シレっとイボガエルって呼ばれたけど、まあ良いや。

 更に一歩、釜に近づく。

 覚えていたのはそこまでだった。


「よく眠れたようだね」


 独特のしわがれた声でボクの意識は戻ってきた。

 机に突っ伏して寝ていたようだ。

 顔を上げると下敷きにしていた腕が僅かに痺れている。

 声がの方に振り向く。


「しかし、スゴい集中だったねえ。最初に話したとおり薬はアンタが持ってきな」

「おいくら位、お支払いすればいいですか?」

「ヒッヒ、金は要らないよ。ただアンタが旅をしていく中でドラゴンの牙を手に入れることがあれば持ってきてくれたらソレで良い」

「え、でもボクがドラゴンの牙を持ってくる確証なんてないじゃないですか?」

「別にアンタが持って来なくても良いんだよ。アンタの顔が好みだっただけさ」

「え、それだけで?」

「ヒッヒ、アンタもアタシみたいになるときがくるかもねえ」


 彼女は獰猛な笑顔を浮かべていた。


「あ、ありがとうございます」


 ゾクリとわずかに寒気がしたが、しっかりとお礼を告げた。

 ひとまず机の上の色とりどりの薬をカードにしまい、5つ以上のアイテムが入った。

 どうやら5つを越えると見えていた5つの枠の隣に矢印が出て入れれるようだ。


「おや、もう行くのかい?」

「はい、そろそろ行こうと思います」

「そうかい。また好きな時にきな」


 ボクは彼女に別れを告げ、建物から外にでた。

 なぜ、ヌマガエルのイボなのか彼女は何者なのか疑問があるが、まあとりあえずそろそろ旅に出たい。

 カエルの石像を一度撫でる。

 ものづくり通りから南門を目指す一歩が、大きい一歩に感じた。

変更点

・ユニークモンスターとの戦闘削除

・カラカッサ砂漠の削除

・隠しエリアの削除

・ユニーク武器の削除

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