リイラ初めてのお買い物の巻 7
おとう達がちっとも護衛できていない件(´・ω・`)
リイラ、知らないうちにクリームパン落としていたの。あと半分残っていたのに。
もう何なのかしらがっかりよ(´;ω;`)
でもレオンがそーっと手に新しいパンを渡してくれたの。
あれあれ?レオン、パン全部食べてなかったの?
「いいのだ。リイラが良ければそれで・・・」
『・・・・? 』
レオンの向こう側に座っていた、買い物かごを持ったお姉さん達と一瞬目が合ったような気がしたけど。
サッと向こうむいたの。気のせいだったかしら・・・。
お姉さん達が10人に増えてる、みんなお友達なのかしら?
『このジュースおいしいね、いくらだったの?リイラお小遣い持ってきたから払うよ』
「いやいや、それはいいのだ。僕のおごりと言うやつだ、僕もお小遣いを持ってきたので使ってみたかったからちょうど良かった」
『レオンもお小遣い持ってきたんだ』
「うむ、誰かに喜ばれるというのはとても恥ずかしくて、うれしくて、楽しい事なのだな。どれが好きかな、いいかなって相手の顔を思い浮かべながらする買い物がこんなに素敵な事だとは思わなかった。買い物をする機会を作ってくれたリイラに感謝する」
『レオンはありがとうって言わないんだね、感謝するって言うんだね。・・・でも感謝するっていい言葉だよ』
「おかしいかな・・・」
『そんな事は無いよ、レオンらしくっていい。リイラはもっと言葉を覚えたいなぁ、たまに変みたいでおとうやみんなに笑われちゃうんだ』
「それはまだ子供だから仕方ないだろう、僕も・・・多分心の中で一杯笑われる事してるんだろうけどな・・・」
広場の少し端っこにある舞台で何か始まったみたいで、急に噴水の辺りも人が一杯になってきたよ。
「何か催し物が始まってしまったようだな、ここは特等席のようだからちょうどいい観ていこう」
猪豚祭りの最後を飾りますのは!!帝国中の猪豚農場を代表する美しい農場の娘さん達による!!ミス猪豚コンテスト!! いつもは農業に従事する娘さん達が今日は素敵に着飾って登場してくれます!!審査員は!!先ほど猪豚レースで一位になられた猪豚協会名誉総裁のオウル殿下!!
「オイィィィィッス!!」
「叔父上・・・無事だったんだな・・・、あのまま海まで走って帰ったのかと思ったのに・・・」
そして猪豚生肉協会組合長、猪豚卸売り協会理事、去年のミス猪豚。そして今日の会場に遊びに来てくれた代表で美少年のシオール君!!
かわいい感じの男の人がニコニコしながら手を振っているよ。
あれ?こっちに手を振ってるの?まさかね、知らない人だもの気のせいよ。
☆ ☆
『シオーネ!!何やってんの!!!』
『ワタシ喋れないから無理ですって、紙に書いて見せたのよ? でも一番いいと思うお嬢さんの札上げるだけでいいって言うからさ、お礼が高級帝国猪豚肉だって言うんだもん。リンシェルン、高級帝国猪豚肉よ!!!』
『えっ?! 一万頭に一頭しかとれないというあの幻の?! 』
『それに、ここだとリイラとレオンが良く見えるのよ、シオーネちゃんナイス~』
『シ、シオーネはいいとして。ラギはどこに行ったの?』
『・・・俺?、俺はもうアテにしないでくれ・・・何だかお年寄りの集団に囲まれて動けなくなってる』
『な、なんで・・・』
『さっき助けたお年寄りが、俺と居ると腰がなおったとか言い出して年寄りが増えてきて・・・何やら拝まれながら茶を飲まされている・・・おかしいな、竜力抑えてんだけどな・・・』
『完全に抑えておけぇぇぇ!!!! ハァハァ・・・アルファーは?』
『自分は特に問題は無い、しかしなぜレオンはリイラと手を繋ぎっぱなしなのだ? 離せっこのっ!!もう少し離れろこのっ!!』
『アルファーは飛び出さないよう、そのままね!! そうだ、リオンどこに居るのさっきから静かだけど』
『・・・僕は高級帝国猪豚肉一頭手に入れてやる・・・みんな待っててくれ。今夜のディナーはラギの家でバーベキューだよ!!』
『は? なっ? 何言ってるんだ!!俺んちの庭、猫の額しか無いぞ!!!ってか猪豚一頭って何?!おいっ!!』
☆ ☆
「ほう、きれいなお嬢さん方を決めるコンテストなのだな。しかし、最後まで観ていたら遅くなってしまう。リイラ、市場の方が今空いているようだから買い物を済ませてしまおう」
『うん、そうだね』
いつも買うお肉屋さんはすぐに見つかって、おとうのメモを見せてお金を渡して、やっとお使いが終わったの。ほっとしたよ、おとうほめてくれるかなウフフッ。
『リイラ、まだちょっと欲しいものがあるの。レオンついてきてくれる?』
「あぁいいとも、僕はリイラの騎士なのでどこまでも護衛するぞ!!」
『レオンって頼もしくて賢くて、カッコいいね』
そう言ったらレオンが急に立ち止まって、真っ赤になって口をぱくぱくさせたよ。
あれ、リイラおかしな事言っちゃった?
「僕は、リイラのためだったらもっと強くなって、賢くなってずっと一緒に居て守っていきたい」
『うん、そりゃいいね。大きくなったらリイラ、レオン乗せてあげてもいいよ、そうだ、知らない人乗せるの怖いから大きくなって人が乗せれるようになったらレオン一緒に練習してくれる? 』
「なななんと光栄な事を! それは本当?!」
『うん、やくそくやくそくー』
「やったー!!」
レオンったらそんなに嬉しいのかな、バーミリオンのお兄ちゃんなんかおとうと練習している時。怪我だらけの頭から血ダラダラでよく口喧嘩しててすごい大変なのに。
『あ、あそこだ。よかったまだあった・・・リイラこれが欲しかったんだよ。ねぇレオンお願いがあるの、お店の人に頼んでくれる?』
「あぁいいとも、任せておけ!!」
レオンがお店の人とお話してくれて、リイラの欲しいものもお小遣いで買えたよ。
さぁお家へ帰ろう、おとうもお仕事終わっていたらいいなぁ。
多分次で最後です(^_^;)