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リイラ初めてのお買い物の巻 5

あともう少しお付き合いください^^;

『あれぇ、いつもより人が多いよ。市場の入り口に大きな字が書いてあるけど、何て書いてあるの?』


いつもの市場にお野菜を買いに来たんだけど、人が一杯。

市場の広場から楽しい音楽も聞こえるのね。

顔なじみのお野菜売りのおばあさん見つけられるかな、お肉屋さんはどっちの方だったろう。

入り口の高いところに書いてある字をレオンは読んでくれたの。


「んと、しょ、初夏のいのぶた祭り?いや、初夏猪豚大祭りかな」


『おぉ!!おとうに猪豚頼まれているよ!!』


「ん、んー猪豚品評会?乗猪豚レースと・・・・ミス猪豚コンテスト・・・何だろうな」


『入ってみようよ、お買い物しちゃわなきゃ』


「うむ、僕も母上に頼まれている物があるのだ。この季節にしか出回らないお茶の葉があるとかで、探さなくてはならない」


『あ、お茶屋さんなら知ってるよ。おとうがたまに<緑茶>っての買うから』


「外国の言葉だな、ほう、ここには色々な物が集まっているのだ・・・」


こっちこっち、お茶屋さんはすぐ分かったよ。

レオンはお茶の種類といくら買うか覚えていて、お店の人に丁寧に頼んで量ってもらったの。

普通の包装でいいですかってお店の人は言ったけど。レオンはどうしようかなって顔をして、母上の誕生日のプレゼントにしたいって言ったら。お店の人はきれいなツルツルの紙に細くて白いリボンをしてくれたの。レオンはお店の人にお礼を言って、肩から提げていたカバンの中に大事にしまったよ。


お店を出たら、また買い物かごを提げたお姉さん達がたくさん立ち話していたけど今日はお祭りだから一杯居たんだね。


「リイラはラギに何を頼まれたのだ?猪豚はたくさん出回っているようだから後でもいいだろう」


『んとね、にんじんとジャガイモだったかな』

「そのメモを見せて」


レオンはおとうの書いてくれたメモを受け取ってちょっと、んっ?て顔をしたの。


「うぬぬ、ラギは姿形(すがたかたち)は精悍で美しいが、字があまり得意で無いとみえる。だが辛うじて分かる。それで合っているようだ」


『いいなぁ・・・・』


「何がだ?」


『リイラも読んだり書いたりできればいいのに』


「・・・・・リイラもし良かったら僕と・・・」


たくさんの人にぶつからないように、お野菜のおばあさんを探したけどなかなか見つからないの。

困ったよ・・・。レオンが何か言いかけたけど、大きな声が急にしてびっくりして黙っちゃった。


「これから乗猪豚レースが始まります!!!猪豚券の販売は終了しておりますが!!どうぞ帝国中から集めた名猪豚の疾走をお楽しみ下さい!!」


「リイラ、せっかくだからレースを観て行こう。僕は実は恥ずかしい事だがちゃんと生きている猪豚を見た事が無いのだ」


リイラとレオンは人が一杯になっている所をコソコソ入って、競争する道が見えるまん前に出たの。

子供だからしゃがんでいたらお邪魔にならなくていいね。


『あっ、この道。いつもおばあさんがお店出してるところだ、猪豚さんが走るから無かったんだよ』


「そうなのか、だったらレースが終わったら店が再開されるかな・・・」


『そうだといいんだけど・・・・だめだったら他のお店探さなくっちゃ』


パッパラッパパー!!


「お、始まったようだ」


エントリーナンバー1素足で野原!!まずはさい先のいいスタートを切りました、一豚身置いてエントリーナンバー6鼻先に愛を!!続いてエントリーナンバー3猪豚だが船育ち!!おおおお!!船育ちがいきなり加速したぁぁぁぁぁっ!!!


「フハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッッッッッ!!!!!!!!!俺様の前に道は無いッッッ!!!しかしっ俺様の後ろに道はできるッッッ!!!!」


『「・・・・・・・・・・・・」』


ものすごい速さで猪豚さんが走って行ったけど。

なんか知っている人が乗っていたような気がするのね・・・・。

レオンも見つけたみたい、お顔が真っ青になってるよ。


船育ちゴーーーール!!!おめでとうございます!!!あ、あれ?どこに行くんですか!!!!


一位になった猪豚さんはゴールしても止まらなくって、ものすごい速さで市場を出て行ってしまったの。

後で聞いたんだけどね、猪豚さんって興奮しすぎると前しか見えなくなって突進していくんだって。

おじさん大丈夫だったかな・・・。


「リ、リイラ・・・・。あまり気にしないでおこう・・・。叔父の所業を後で母上に知らせなければ・・・」


レースが終わってすぐに、いつもの露天が一杯出て、おばあさんにも会えてお野菜が買えたの。

本当によかったよ。


さぁ、後頼まれているのはお肉だね。


☆         ☆


『キャー大変!! ゴメン!! リンシェルン!! オウルがまたやらかした!!!捕まえてくる!!』


『はーい・・・・』


『なんか猪豚が暴走して露天破壊して回ってるらしくって、腰の抜けた老人介護してくれって頼まれてしまったよ、他の憲兵に任せてくるからリイラ頼むよ!!』


『はーい・・・・』


『リンシェルン、なんか僕の後ろに変な人が付いてくるんだけど・・・うわっ話しかけてきた』


『適当に逃げなよー』


『自分は大丈夫だ、リイラを見守っているぞ!! あうっレオンがリイラの手をまた握った!!』


『今の所アルファーだけが頼りなんだからね、しっかりしてよね!!』


『分かった!!』








この世界の猪豚は、牛ぐらいあります。突進すると危険です。普通は興奮させずにゆっくり走らせます。

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